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#23 ミンチェ




#23 ミンチェ - Ming-Chieh Hsu

右投右打・投手
2000年入団
高雄市立中正高級工業職業学校~台中金剛~埼玉西武ライオンズ
台湾・高雄市出身、1976年12月1日生、182cm / 90kg
2010年推定年俸:2000万円

ミンチェ投手、12年目で取得したFA権を行使
許銘傑投手は2000年からライオンズの一員となった。当時の東尾監督の期待も非常に高く、入団からしばらくは毎年先発ローテーション候補に名を連ねていた。だが2001年に11勝して以来、二桁勝利からはずっと遠ざかっている。この原因を多くの人はメンタルの弱さという言葉で片付けてしまっている。だが本当にそうだろうか。確かに許投手は非常に優しい性格をしている。だが優しさ=メンタルの弱さではない。マウンド上で安定した精神状態をキープできないということをメンタルの弱さと言えば、それは確かにそうだ。しかし筆者の考えは違う。許投手は決して気持ちが弱いのではなく、逆だと思っている。つまり、気が強いのだ。

通常メンタルの弱い投手は、調子が悪くなると浮き足立つケースが目立つ。連打を浴びることと、浮き足立つことはもちろん異なる。どんなに調子が良くても、相手打線の調子がそれ以上に良ければ、打たれることもある。浮き足立つとは、その通り地に足が着いていないような状態で、上ずったボールばかりを投げてしまう状態のことだ。もちろん許投手に限らず、どんな投手でもそうなることはある。エース涌井秀章投手然りだ。

調子が良い時の許投手は、見ていて本当に安心感があり、まるで打たれる気がしない。だがひとたびその歯車が狂ってしまうと、唐突にコントロールを乱してしまうことがある。そういう時の許投手を筆者なりに観察していると、気が弱くて内角に投げられないからではない、と感じることが多い。それどころか、打たれたり調子が悪かったりすると、気が強い余りにマウンド上でイラついたり、カッカしたりしているように見えるのだ。筆者も投手出身であるため、そういう風になってしまう気持ちは許投手を見ていればよく分かる。

気が強い投手ほど打たれるとマウンド上でカッカしてしまい、ボールに余分な力を込めてしまうものなのだ。ボールに余分な力がこもってしまえば、当然コントロールすることがより困難になる。右投手である許投手の場合、力が入ればボールは左打席側に流れてしまうケースが多くなる。これがスライダーならまだいい。左に流れても、右打者ではバットは届かない。だがシュートとなると話は別だ。シュートは今や許投手の代名詞であるわけだが、これを力んで投げてしまうと、右打者の内角に投げたはずのシュートが曲がらないばかりか、真ん中に入ってしまうのだ。つまり打者からすれば長打ゾーンとなる。先発をメインにして働いた2000~2002、2010年の被本塁打がいずれも二桁となっているのは、これが1つの原因だろう。

ただ、これはあくまでも筆者が観戦した上での印象だ。実際に許投手に聞いたわけではないので、本当にそうなのかは分からない。だが許投手のことを、「気が弱い」という言葉だけで片付けてしまうのは、このブログに於いてはあまりにも能がない。そもそも気が弱い選手が投手をやり続けられるだろうか。だからこそ筆者は思うのだ。許投手は気が弱いのではなく、気が強いために力み、コントロールを乱してしまうのだと。

今年の夏頃だったろうか。サインミスか何かをした際、上本捕手がマウンド上で許投手を怒鳴りつけるようなシーンがあった。その時の許投手の姿、なんとふてぶてしかったことか。あの姿を見ただけでも、許投手の気の強さが筆者には感じられた。

投手は、後ろで守る野手のためにも、マウンド上ではリラックスし、堂々としているべきなのだ。そうすることにより野手もリラックスでき、余計なエラーが減っていく。だがマウンド上で投手がカッカしてしまえば、野手にも緊張感が走り、リズムが出ないばかりか身体が硬直してしまい、エラーなどが出やすくなってしまう。こういうことを考えれば、許投手は打たれても堂々としているべきなのだ。打たれようが何しようが、マウンド上で常にリラックスし、堂々としていれば、例えそれがカラのものであっても、野手はその背中に騙されてリラックスできるようになる。

典型的なツーレーンピッチャー(スライダーとシュートなど、左右の変化球で揺さ振る投手)である許投手は、基本的に打たせて取ることに主眼を置いている。となると、ボテボテのゴロが内野安打になってしまうこともあれば、それがベースカバーに入った野手の逆をついて外野に抜けてしまうこともある。だがそうなったとしても、許投手はマウンド上で堂々と胸を張っていれば良い。マウンド上の投手に動揺がないと分かれば、野手陣も安心できるからだ。リラックスした野手陣は、緊張した野手陣よりもはるかに多い得点を挙げてくれる。そして許投手にさらに多くの勝ち星をもたらしてくれるはずだ。

余談ではあるが、2004年に許投手が17から23に背番号を変えたのは、マイケル・ジョーダン選手をリスペクトしての変更だったと聞いたことがある。ジョーダン選手の23番はシカゴ・ブルズやノースカロライナ大だけに留まらず、ジョーダン選手に苦しめられたマイアミ・ヒートも敬服の意を込めて永久欠番にしている。なおこのバスケットボールの神様と呼ばれたジョーダン選手が、NBA最初の引退後にMLBに挑戦したことは、あまりにも有名なエピソードだ。世界でも最も尊敬されるアスリート、マイケル・ジョーダン選手に肖った背番号を背負う許投手には、2011年以降もチームの危機を救うような投球を続けてもらいたい。そして順調に行けば、2011年シーズン前半に国内FAを取得でき、2012年以降は日本人選手扱いとなれる。そうすれば外国人枠に縛られない起用が可能となり、許投手には大きなプラスとなるはずだ。老け込むにはまだまだ早過ぎる。許投手にはさらにもう一花咲かせてもらいたいと筆者は強く願っている。

 投球成績 Pitching Results


































2000 28 21 1 1 0 6 7 0 -- .462 563 126.0 129 12 65 2 4 66 0 0 77 64 4.57
2001 27 25 1 1 0 11 6 0 -- .647 606 140.0 140 12 64 1 3 67 5 0 59 54 3.47
2002 20 20 2 2 1 9 7 0 -- .563 510 118.1 124 10 30 1 4 88 2 0 57 48 3.65
2003 19 11 1 0 0 4 2 0 -- .667 320 70.0 81 8 35 0 4 43 3 0 42 40 5.14
2004 27 6 0 0 0 4 3 0 -- .571 280 64.0 70 4 30 1 2 26 3 1 34 31 4.36
2005 4 0 0 0 0 0 0 0 1 ---- 27 5.2 9 2 4 0 0 4 0 0 4 4 6.35
2006 19 3 0 0 0 1 4 0 1 .200 190 42.2 46 8 17 2 2 26 4 0 28 26 5.48
2007 15 0 0 0 0 0 1 0 1 .000 102 24.0 27 3 8 1 1 8 1 1 14 13 4.88
2008 17 2 0 0 0 1 3 0 3 .250 151 31.2 37 1 22 1 1 11 4 0 21 18 5.12
2009 16 4 1 0 0 1 2 0 1 .333 179 40.1 42 3 21 3 3 21 1 0 20 17 3.79
2010 22 20 1 0 0 6 9 0 0 .400 529 120.2 150 13 28 0 2 62 4 1 75 61 4.55
通算 214 112 7 4 1 43 44 0 7 .494 3457 783.1 855 76 324 12 26 422 27 3 431 376 4.32


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2010年11月23日 02:35 


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