
2010/09/04 楽天vs西武 20回戦(涌井)

| 3:206 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 6 | 11 | 0 | |
| 東北楽天 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6× | 7 | 12 | 1 |
東北楽天vs埼玉西武20回戦(Kスタ宮城:16,868人)
埼玉西武ライオンズ 12勝7敗1分
継投:涌井秀章~●シコースキー
敗戦投手:シコースキー 1勝3敗31S 2.21
ホームラン:中村剛也(16号ソロ)、高山久(8号ソロ)、大島裕行(1号ソロ)
盗塁:中島裕之(14)
【ハイライト】
【ゲームレビュー】
まさかの展開だった。9回裏が始まる時点で点差は6-1。ライオンズ圧勝ムードも色濃かった。だがその9回裏にエース涌井秀章投手が突然打ち込まれ、リリーフのマウンドに立ったシコースキー投手がサヨナラ打を浴びてしまった。勝てるはずの試合を、しかも最下位のチーム相手に落としてしまった。
筆者は近ごろ、渡辺監督の投手起用にはいささかの疑問を覚えている。この試合もそうだった。涌井投手は8回まで1失点に抑えていたとは言え、明らかに調子は悪かった。いつ打たれ出しても不思議ではなかった。だが1失点に抑えているという点と、リリーフ陣を休ませたいという点が優先され、最後まで涌井投手を引っ張ってしまった。筆者が見ている限りでは、7回を投げ終えた時点でリリーフを出してもいいように思えたが、しかしそれは結果論でしかない。
涌井投手の調子が上がらない原因は、下半身の疲れにあると筆者は見ている。しかしそれは脚そのものではなく、股関節という部位だ。好調時の涌井投手と、現在の涌井投手を見比べると、股関節の使い方に違いを見出すことができる。
右投げの涌井投手の場合、まず左脚を振り上げることになる。同時に上半身の重さを右股関節に乗せ、捕手方向への並進移動後に、その重さを右から左の股関節に移しかえる。この時、左股関節に上半身の重さが乗り切っていないのだ。三塁側から見ると分かりやすいのだが、左股関節に体重が乗り切っていないため、投球時の重心がやや高い位置にある。つまり身体がベストな状態で沈んでいないのだ。
左股関節に体重が乗り切らないということは、それはつまり、身体で生み出したエネルギーをボールに込め切れないということを表す。この試合の涌井投手のボールを見ていても感じたのだが、バッターの手元で最後の一伸びが感じられなかった。後半戦、奪三振の数が急激に減った要因もここにある。
ではこの状態はどのようにして改善したらいいのだろうか。やはりまず第一は、疲れをしっかりと抜くことだろう。そしてある程度疲れが抜けたら、股関節を重点的に鍛えれば良い。具体的にはアウフバウという股関節用のメニューだ。アウフバウは非常にタフなトレーニング方法なのだが、しかしその分効果は明確に見えてくる。もちろん涌井投手もすでに取り組んでいると予想されるが、あえて書いておきたいと思う。
さて、渡辺監督の投手起用に疑問を覚えることがあると書いたわけだが、それを具体的に書いてみようと思う。まず一番に感じるのが、先々を考えた起用が少ないという点だ。涌井投手を表ローテの1番手から、2番手に移したことは先を見据えたと考えられなくもない。その理由は、9月後半の週末は金曜日に試合が行われないためだ。最多勝を獲らせたい、相手のエースとの対決を回避したいなど、様々な理由が考えられるローテ再編だったが、9月後半の日程を考慮して、早めに土曜日の登板に身体のリズムを合わせさせようという意図も見えてくる。しかしこれは筆者に言わせれば不必要に思えてならない。
そもそも、2位以下のチームよりも先に勝ち星を増やさなければならないのに、エースピッチャーを後ろにずらすという考え方はあまりにも勝負の鉄則に反する。指揮官は、常に最悪の状態を想定しなければならない。例えば9月の戦い方で言えば、18~20日に行われるホークス戦に3連敗しても首位を確保できる戦い方が求められる。そのためにも下位チーム相手に取りこぼしは決して許されない。
もし涌井投手の登板日を金曜日のままにしていれば、9月の登板は3、10、16、23日で4回先発し、25・26日はリリーフにも回れた。だが土曜日にしてしまったことで4、11、18、25日のみとなり、リリーフ登板の余地がなくなってしまった。もちろん岸投手の復帰も目論んだ上での采配だとは思うが、納得しがたい要素が多いことも事実だ。
勝負の山は7日からの西武ドーム6連戦ということになるだろう。この6連戦を最悪でも4勝2敗で勝ち越せなければ、ホークス・マリーンズにいつ追い越されても不思議ではなくなってしまう。特にホークスとは18日から、福岡での3連戦が残っている。そう考えると理想は、7日からの6連戦を5勝1敗で勝ち抜くことだろう。これができれば、14日からの6試合を5割で乗り切れば良いというように、余裕を持った野球が可能になる。
目標はあくまでも優勝であって、クライマックスシリーズに出場することではない。渡辺監督には決して「3位までに入れればいい」という考えなど持たず、1位になることだけを考えて采配を振るってもらいたい。そして敗れた時は選手を責めるのではなく、自らの采配を責める器の大きい監督になってもらいたいと思う。


2010年09月07日 07:14 Tweet


