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2010/08/31 西武vsオリックス 19回戦(許)


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3:53
オリックス 16
埼玉西武

埼玉西武vsオリックス19回戦(前橋:16,823人)
埼玉西武ライオンズ 11勝8敗0分

継投:許銘傑~●長田秀一郎~小野寺力グラマン~土肥義弘
敗戦投手:長田秀一郎 4勝3敗 3.46

ホームラン:中島裕之(16号2ラン)
盗塁:片岡易之(53)

【ハイライト】


【ゲームレビュー】
一昨日サヨナラ勝ちしたあと、「この試合がターニングポイントになる気がする」と言った渡辺監督の予感は外れていた。せっかく連敗を7で止めたものの、引き分けと1勝を挟んで再びの敗戦。なぜライオンズはここまで勝てなくなってしまったのか。8連勝はただのフロック(まぐれ)だったのだろうか。確かに連勝中のライオンズの戦い方に関する筆者の感想は、あまり良いものではなかった。選手の好調のバイオリズムがたまたま一致して、たまたまそれが相乗効果を生んだ連勝、それが筆者の正直な感想だった。なぜなら、戦術・戦略で勝てた試合というのがほとんどなかったからだ。

昨季以降、今季は特に渡辺監督の采配には疑問を感じてしまう。もちろんそれは野球のやり方が間違っているとか、そういう話ではない。今ライオンズがやっている野球が、本当に渡辺監督が目指す野球なのか、という疑問だ。2008年のような渡辺監督らしい采配が、ここ1~2年はほとんど見られなくなってしまった。筆者には今季のライオンズの野球が、保守的に見えて仕方がない。

具体的には、過去やセオリーを大切にし過ぎている。例えば対戦成績だ。ある投手に対しての、ある打者の今季の対戦成績が6打数0安打だったとする。すると今季は、そういう打者は確実にスタメンから外しているように感じる。だがその0安打を思い出してみると、ちょうどその選手が不調に陥っている時の対戦だった場合がある。ということは、このデータはまったく役には立たないわけだ。戦術にブレが生じ、目指す野球ができない。そんな状況が西武野球を保守的にしてしまっているのだろう。今季のライオンズを見ていると、いやらしさを感じることがほとんどない。「西武はいま調子が悪いから、何か仕掛けてくるのでは?!」と相手に思わせる雰囲気がないのだ。そのため、相手は自分たちの野球が伸び伸びとできてしまう。

確かに不運は重なっている。昨季は守護神グラマン投手、正捕手である細川捕手を怪我で欠き、今季は岸投手石井一久投手星野智樹投手中村剛也選手銀仁朗捕手が怪我で戦線離脱してしまった。今季にしてもこれだけの怪我人が出ている中で首位争いをしてきたというのは評価に値すると思う。しかしこれだけの怪我人を出してしまったことは、深く反省する必要があるだろう。

そして怪我人以外では、捕手を固定しないということがチームの不調を招いていることは間違いない。上本捕手は確かに捕手として成長著しいし、打者としての魅力は大きい。しかし正捕手としての実績はまったくないに等しい。捕手としての経験が浅いということは、監督の思い描く野球をグラウンド上で再現する能力も高くはないということだ。これは経験がなければできることではない。それなのに、渡辺監督はなぜ上本捕手を選んだのか。考えられる理由は打力と、2軍時代の教え子という2つのファクターではないだろうか。

渡辺監督の特徴の1つには、2軍監督時代の教え子を使いたがるという点がある。これが間違いだというわけではない。教え子であればその選手の能力はよく理解しているはずだ。それを理解しての適材適所での起用であれば問題はない。しかし教え子ということだけで無形の何かを期待して起用しているのであれば、それはギャンブルということになり、監督としてすべき采配ではない。上本捕手は打力に関しては素晴らしいものを持っている。しかし捕手として見たならば、失礼だが細川捕手の魅力には到底敵わないと筆者は考えている。

今夜の試合に関してもそうだった。上本捕手の単調なリードは、見ていて不安を覚えるばかりだった。許投手に対しては外角低めがほとんどで、グラマン投手に対しては内角へのクロスファイアーのみ。許投手の外角低めのスライダー、グラマン投手のクロスファイアーは確かに魅力的だ。しかし一辺倒では打たれない方が不思議だ。特にグラマン投手の今夜の配球は1軍レベルではなかった。

今季1本しかホームランを打っていなかった大引選手に、2本目のホームランを献上してしまった場面。ここも内角一辺倒だった。ピッチャーというのは、どんなにコントロールが良いピッチャーであっても、まったく同じコースに投げ続けることはプレッシャーとなる。数球内角が続いたら、1球外角に外して息抜きをしなければ、どうしてもコントロールはどんどん甘くなってしまうのだ。だが大引選手に対し、上本捕手はほぼ内角一辺倒。最初の2~3球目までは良かった。しかしそこから徐々にコントロールが甘くなって行き、ホームランを打たれた5球目は上本捕手は内角一杯に構えていたのだが、グラマン投手のボールは真ん中に入ってしまった。いわゆるホームランボールだ。

配球の考え方について簡単に解説をしてみたいと思う。例えば最終的に外角低めで勝負をしたいとする。その場合、まず初球はその外角低めにやや甘めのスライダーを投げる。初球だし、遠いところのボールだし、バッターが手を出してくる可能性は高くはない。そして2球目はボールになる内角球だ。外角のあとだけに、バッターからすると非常に近く感じるはずだ。これはファールになれば儲けもので、悪くてもカウントは1-1になる。0-2であればあとは簡単になるが、1-1だと想定しよう。この場合、バッテリーからすればどうしても次のボールでストライク先行の1-2にしたい。そして勝負球にしたいのは外角低目。4球勝負だと考えると、3球目は2球目よりも速いボールを内角高めに投げたい。2球目と同じ内角であるため、バッターは内角に目が慣れている。しかしボールが2球目よりも速いため、振ったとしてもファールになる可能性が高い。そしてボール臭いコースであれば、1-1という余裕からバッターは見送ってくる可能性も高い。つまり1-2というカウントを作れる可能性が高くなるということだ。

ここで4球目、外角低めにスライダーを投げるのだ。2・3球目で内角を見せているため、バッターの目には内角の残像が強く残っている。その状態で外角低めに投げれば、バッターからするとボールが非常に遠く感じるのだ。感覚的には、手を伸ばしても届かないと感じられるほどだ。その状態でバットを振ったとしてもボテボテの内野ゴロにしかならない。これが配球だ。

外角のボールをより遠くに感じさせ、内角はより近くに感じさせ、速いボールはより速く、遅いボールはより遅く感じさせる。これが配球が持つ意義なのだ。上本捕手は自身のブログで、ある1試合でエース涌井投手に首を振られた回数が少なかったことを喜んでいた。だがもし上本捕手が正捕手を目指すのであれば、あまりにも心もとないブログだと思う。これは裏を返せば、その試合以外ではエースの信頼をまったく得られていないということなのだ。上本捕手が1軍レベルの捕手を目指すのであれば、その1試合を喜ぶのではなく、残りのすべての試合を反省すべきだろう。そうすれば少しでも細川捕手のレベルに近付けるはずだ。

銀仁朗捕手の1年目、伊東勤監督は細川捕手よりも銀仁朗捕手を使いたがった。しかし細川捕手とのレベルの差は歴然だ。当然投手陣もそれは理解している。だがチームが勝つために「銀仁朗ではなく、細川さんと組ませてください」と直訴した投手は、松坂大輔投手ただ1人だった。「なぜレベルの高い捕手を使わないのか?!」。その不満を首脳陣にぶつけていかない現在のライオンズ投手陣。もし現在の投手陣に東尾修投手、松坂投手、全盛期の工藤公康投手・渡辺久信投手らがいたら、果たして上本捕手の起用に納得をするだろうか。

細川捕手と上本捕手の能力の差、捕手を固定しない弊害については、もっともっと書きたいのだが、今日はあまりに長い記事になってしまったので、それはまた後日、コラムとして書いてみようと思う。しばらくは苦しい時期が続きそうな感じはするが、しかし泣いても笑っても残すは21試合のみだ。この21試合を、21勝する気持ちで明日からは戦ってもらいたいと思う!!

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2010年09月01日 00:58 


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