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2010/09/29 楽天vs西武 今季最終戦(岸)

2:59
埼玉西武
東北楽天

東北楽天vs埼玉西武24回戦(Kスタ宮城:14,70人)
埼玉西武ライオンズ 15勝8敗1分

継投:○岸孝之~H長田秀一郎~土肥義弘~小野寺力
勝利投手:岸孝之 10勝6敗1S 3.25 入団以来4年連続二桁勝利達成

ホームラン:浅村栄斗(2号2ラン)、フェルナンデス(11号ソロ)
盗塁:中島裕之(15)



【ゲームレビュー】
Kスタ宮城で迎えた埼玉西武ライオンズの今季最終戦、結果的には本当に勝って良かったという感想だ。だがクライマックスシリーズを睨んでいくと、良かったと思える点もあれば、不安を感じる点もあった。その不安は5回表の攻撃だ。先頭バッターから2連続フォアボールをもらって無死二塁一塁というチャンス。バッターは栗山巧選手。ここは送りバントで一死三塁二塁にすべきだと思ったが、渡辺監督は強攻策を取った。もちろん打撃好調の栗山選手に期待したい気持ちは分かる。だが今後迎える短期決戦を考えれば、しっかりと送り、この場面いかに2・3番で1点を取るかということを考えて欲しかった。

結果的に相手にもらったチャンスを活かすことが出来ず、この回ライオンズは無得点に終わっている。結果論でしか言えないわけだが、もし栗山選手にバントを命じていれば、2番大島裕行選手のレフトフライで1点入っていた。さらに言えば栗山・大島両選手が倒れてしまったことで中島裕之選手に余分なプレッシャーがかかってしまい、本来のバッティングとは程遠いショートゴロに終わってしまった。

この辺りが、ライオンズとホークスの違いだったのだろう。ホークスの小久保選手はサインが出ずとも、絶対に点が欲しい状況では自らバントを行った。これは秋山幸二監督が徹底させる、ライオンズ黄金時代の野球が浸透しているということだろう。選手一人一人が監督の野球を理解し、自ら考えてチームバッティングを行っている。これなら勝負どころにホークスが強かったのにもうなづくことができる。

反面ライオンズ渡辺久信監督は、自由奔放な野球を行った。良い言い方をすれば、選手の能力を信じ切った放任野球とでも言えばいいだろうか。だが戦術の徹底を行わず、グラウンド上の監督ともなる正捕手を置かなかったことで、勝負どころでの弱さを露呈するばかりとなってしまった。1年目、放任野球を宣言して日本一になってしまったため、野球のやり方を1~2年で変えることもできなかったのだろう。だが2年続けて優勝を逃した今季。日本シリーズへの進出がなければ、秋季キャンプでは徹底的に選手たちの再教育を行っていくはずだ。

だが、とにかく今夜は勝ててよかった。これでホークスとはゲーム差なしの2位となり、勝ち数もホークスを2つ上回った。仮にクライマックスシリーズでホークスを破り、日本シリーズに進出したとしても、これだけの僅差であればそれほど肩身の狭い思いをすることはないだろう。

さて、そろそろ岸投手の話をしたいと思う。復活後初先発となったわけだが、クライマックスシリーズでの先発が十分計算できるだけの結果を出してくれた。低めのストレートにも力があったし、大きく割れるカーブ、スライダーも良かった。だが今夜は岸投手の力だけで勝てたわけではない。細川捕手銀仁朗捕手の好リードに支えられた4年連続の二桁勝利だった。

楽天打線は岸投手のチェンジアップに狙いを定めていた。それを早い段階で見破ったのだろう。細川捕手はチェンジアップを見せ球としてしか使わず、ストレートとカーブで上手く攻めさせていた。そして捕手が代わった時は上手く引継ぎができていたのだろう。銀仁朗捕手も細川捕手同様、ストレートとカーブを中心に組み立てを行い、チェンジアップは多投させなかった。これは完全にバッテリーのファインプレーだ。

それにしても銀仁朗捕手はよくこの時期に間に合ったものだ。当初は今季絶望とも言われていたが、しっかりとクライマックスシリーズに間に合わせて来た。しかもブランクを感じさせない、実に堂々としたリードを見せてくれたと思う。大怪我をして復活した選手には共通して言えることだが、復活後は苦しいリハビリにより精神的に強くなり、怪我をする前よりも大人になって帰ってくることが多い。平尾博嗣選手はまさにその典型だ。そしてそれに漏れることなく、銀仁朗捕手も想像以上の成長を今夜は見せてくれた。

今シーズンのレギュラーシーズン、最後の記事は中島選手で締めくくりたいと思う。だが良い話ではない。9月に入ってからの中島選手は打席で、ボールを待ち切れない場面が目立っている。つまりしっかりと身体の近くに引き寄せられずに、打たされてしまっている状態だ。今夜のショートゴロも完全に投球を迎えに行く形で打ってしまっていた。栗山選手とあれほど差があった打率も、最終的にはわずか4厘の差だ。打率.314は上昇した.314ではなく、下降した.314であったため、とにかく中島選手には10月9日までの間に気分を入れ替え、新しい気持ちでクライマックスシリーズに挑んでもらいたいと思う。やはり中島選手のバットが火を噴かない限り、ライオンズに勝ち目はないと思うからだ。

さて、今シーズンのレギュラーシーズンのゲームレビューはこれで最後となります。過去書いていない試合に関しては、どうしても試合を観ることができなかった試合なので、今後も基本的には書くことはないと思います。しかしそれでも130試合前後のゲームレビューを書き続け、しかも本当に多くの方にご愛読いただき、心から感謝しております。本当にありがとうございました。今後は試合のない日はコラムなどを書き、ポストシーズンでは再びゲームレビューを。そしてシーズン後はストーブリーグなどに焦点を当てて書き続けて行きたいと思っているので、今年も残りあと3ヵ月、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。よろしくお願いいたします。そしてもう一度、日刊埼玉西武ライオンズ2年目の今シーズンも、最後までありがとうございました。

2010年09月29日 21:37

渡辺久信監督、進退伺提出の可能性

渡辺久信監督が公式戦終了後に行うオーナー報告時、進退伺を提出する可能性があるようだ。可能性があるというだけで、渡辺監督の本意までは分からないが、しかし今季のV逸にはそれだけのダメージがあったという事実は確かなものだったのだろう。

そもそも進退伺とはどのような物なのか?簡単に言えばV逸などの責任を一身に負い、今後の処遇・進退について上司の指示を仰ぐということになる。この場合つまり、渡辺監督が後藤オーナーに身の処し方を委ねるということになる。渡辺監督は現在2年契約の1年目で、契約そのものはまだ1年残っている。仮に渡辺監督が進退伺を提出したとしても、後藤オーナーが渡辺監督をバイアウトすることは考えにくい。今季優勝を逃していると言えど僅差の2位で、初年度は日本一になっている。バイアウトするにしても、辞任するにしても、時期尚早だ。

だが筆者個人としては、渡辺監督にはしっかりと責任を取ってもらいたいと考えている。もちろんそれは辞めるという形ではなく、来年絶対に日本一になるという形でだ。最終戦セレモニーでは「逆襲」という言葉を強調した張本人が、もし本気で辞めるという形で責任を取ろうとしているのであれば、それはあまりに矛盾している。まったく勝てなかったわけではない。勝てる可能性がある中で、結果として勝てなかったのだ。ということは、敗因をしっかりと追求し、来季それを補正して行くことができれば、現有戦力で十分に優勝できる可能性はある。ちなみに筆者が考えるライオンズの敗因は、キャプテンの不在にあったと考えている。

だがキャプテンの不在も大きいが、それ以上に問題だったのがあまりにも多過ぎる故障者の数だ。故障の回避に関しては以前の記事にてすでに書いているので、ここでは省略したいと思う。防げない故障は仕方がない。例えばフェンスに激突したり、選手間の交錯であったり、デッドボールであったり、打球を身体にぶつけてしまったり。しかし防げる故障は確実に防がなければならない。例えば今季で言えば岸孝之投手の右肩の炎症、シコースキー投手の右肘の張り。昨季で言えばグラマン投手の肩関節包断裂も防げる可能性はあった。

例えば渡辺監督ではなく歴々の名監督が率いたとしても、駒が揃っていないチームで優勝することは困難だろう。そういう意味では、今季の敗因は渡辺監督1人の責任ではない。もちろん監督としての責任は大きいが、しかし故障者を減らせなかったコンディショニング部門の責任も小さくはないはずだ。ただし、コンディショニングコーチを代えれば良いという問題ではない。1・2軍担当の入れ替えなどは必要だとは思うが、大事なのは現在コンディショニングコーチたちが把握しているカルテ情報を、来季しっかりと活かすということだ。そしてコーチそれぞれの実績を考慮し、必要に応じて1・2軍の入れ替えを行うことも重要だろう。

今季で言えば、西口文也投手を復活させた南谷和樹2軍コンディショニングコーチの功績は大きかった。しっかりと結果を出したのだから、1軍への人事異動(昇格・降格という意味ではない)ということも1つの方法としては考えられる。

さて、話を渡辺監督に戻すが、監督たる者、やはり責任はすべて自らの肩に負うことが潔しとされる。しかし辞めることだけが潔さではない。工藤公康投手を見習うことも必要だろう。工藤投手はすでに戦力外通告をされた可能性が高いわけだが、それでもまだ現役にこだわって移籍先を探すという。野球というスポーツで勝つことにここまでの執念を燃やす工藤投手は、やはり歴史に名を残すべき名選手だ。渡辺監督にはぜひ工藤投手の執念に負けぬよう、来季優勝することで監督としての責任をまっとうしてもらいたいと切に願う。

2010年09月28日 16:14

筆者が見続けた捕手・上本達之の2010年

26日、2位が確定した敗戦後の細川亨捕手の姿は印象的だった。だがそれと同じくらい、上本達之捕手の姿もまた印象的だった。試合が終わるとすぐにベンチ裏に下がって行った上本捕手だったが、いつまでもダグアウトにはいられない理由があった。涙だ。ダグアウトを引き上げる上本捕手は、すでに号泣状態だった。

上本捕手にとって今季は最も楽しく、また最も辛いシーズンだったと思う。捕手としてスタメン起用を続けられるプレッシャーも、決して小さくはなかったはずだ。発展途上である捕手・上本達之にとっては、恐らく実力以上のプレーを求められたこともあっただろう。1軍でプレーする限りそれは当然だとは思う。しかしその重圧は相当な物だったはずだ。

上本捕手と細川捕手での勝率を正確に計算した訳ではないが、勝ち数で言えば恐らく上本捕手の方が多い気がする。その要因は色々と挙げることができるが、その1つは自身の打撃によりチームを勝利に導くことができた、ということだろう。好調時の上本捕手は、勝負どころでの打撃の良さが光っていた。もしキャッチャーという異色のポジションでなければ、上本捕手は十分レギュラーになりうる打撃力を持っていたと言える。ライオンズでなければ、クリーンナップを打っていた可能性もあっただろう。

現段階、捕手としての技術を純粋に見比べれば、当然だがキャリアの多い細川捕手に軍配は上がる。リード、キャッチング、スローイングの正確性、作戦力などだ。上本捕手は1軍の捕手としてプレーするようになったのは、実質今年が1年目と言える。その経験不足を急速に補うことは不可能だ。特にキャッチャーというポジションは、育つためには他のポジションよりも多くの経験を要することになる。1年や2年1軍でプレーしたからと言って、それが一流の証ではない。巨人阿部捕手然り、ダイエー時代の城島捕手然り、1~2年目は酷評ばかりしか聞かれなかった。しかしその酷評が両選手の気迫に火をつけ、急成長を成し遂げる要因にもなった。当時の巨人・ダイエーは正捕手の育成が急務とされていた。そのため首脳陣も、使いながら徹底的に叩き、育てるしかなかったわけだ。

その事情と比べると上本捕手の場合は少し違う。だが銀仁朗捕手を怪我で欠いた今季は、細川捕手に次ぐ第二の捕手の育成が急がれた。筆者としては野田捕手にもう少しチャンスを与えて欲しかったという思いが強いのだが、しかし年齢や将来の育成のことを考えると、やはり上本捕手だったのだろう。

打者としての能力は別とし、上本捕手のキャッチャーとしての能力に関しては、筆者はまだまだ物足りないと思っている。特にリード面に関してや、マウンド上で投手と言い争う姿はキャッチャーとしてはあまりに未熟だ。だが細川捕手にはなく、上本捕手にある筆者の好きな部分があることもまた事実だ。

上本捕手はとにかく我武者羅で一生懸命だ。そんな上本捕手の姿を見ていると、感動することも少なくない。特にワンバウンド投球を押さえる場面だ。キャッチャーとしての基本からは掛け離れてしまうのだが、ワンバウンド投球を押さえに行く際、身体全体で覆いかぶさるようにボールを押さえに行くことがある。技術としては決して正しい方法ではないのだが、這いつくばってでもボールを後ろに逸らさないという気持ちは、見ていて非常に清々しくもある。このような一生懸命な姿を見ていると、渡辺監督が期待を込めて使い続けたくなる気持ちもよく理解できる。

今季の経験を活かし、上本捕手は来季は更なる成長を見せてくれることだろう。それこそ細川・銀仁朗・上本の三つ巴になる可能性も高い。だがそうなれば捕手陣はさらに切磋琢磨することとなり、底上げは一気に進むはずだ。だからこそ細川・銀仁朗と怪我人が続いたこの2年、上本捕手にだけは怪我なく来季を迎えてもらいたいと思う。

そしてクライマックスシリーズではその打棒を活かし、チームのファイナルステージ進出に貢献してもらいたい。昨日流した涙は、決して無駄にはならないだろう。今季大きく成長した捕手・上本達之の集大成を、クライマックスシリーズでいかんなく発揮してもらいたいと思う!

2010年09月27日 17:27

2010/09/26 日本ハムvs西武 最終戦(石井)

3:43
埼玉西武 14
日本ハム 1×

北海道日本ハムvs埼玉西武最終戦(札幌ドーム:42,002人)
埼玉西武ライオンズ 10勝14敗0分

継投:石井一久小野寺力~H岡本篤志~●シコースキー
敗戦投手:シコースキー 2勝5敗33S 2.57

ホームラン:中村剛也(24号ソロ、25号ソロ)

【ゲームレビュー】
終戦。あれだけ優位に戦って来たペナントレースだったが、ライオンズは2位という結果に終わってしまった。まだ1試合残っているとは言え、この順位にもはや変動はない。札幌ドームの映像からは、スタンドで涙する女性ファンの姿も見受けられた。ファンとしたらまさかの敗戦、まさかのV逸という心境だろう。しかもこれはホークスが圧倒的に強くて敗れたわけではなく、ある意味ではライオンズの自滅とも言える敗戦だった。それほど、ライオンズは勝負どころで多過ぎる連敗を喫してしまった。

筆者は基本的には現行のプレーオフ制度には賛成ではない。昔のパ・リーグのような、前期後期の1位チームで「優勝を決める」プレーオフなら良いと思う。しかし現行のプレーオフでは、3位のチームが日本シリーズに進出してしまう恐れもある。しかも定義からすると、プレーオフを制してもリーグ優勝とはイコールではない。リーグ優勝は、あくまでもペナントレースで1位になったチームとされている。

「優勝できなければ2位も最下位も同じ」。こう考えられる選手・首脳陣がライオンズには何人いるだろうか?言葉は悪くなってしまうが、筆者にとってプレーオフの進出はどうでも良いことなのだ。ペナントレースで優勝を果たし、プレーオフでは当然のように勝ち上がり、それで初めて日本シリーズへの挑戦権を得るべきだと願っている。そしてそれこそが常勝チームのあるべき姿ではないだろうか。ただ興行性を良くするためだけに行うプレーオフに、筆者は魅力を感じてはいない。そういうこともあり、ライオンズが日本一になったのは1992年以降では、2008年が唯一だと考えている。

とにかく悔しい。ファンとして、優勝を目前にしてそれを逃すことほど悔しいことはない。しかし我々ファン以上に悔しさをにじませていた選手がいた。細川亨捕手だ。今日の試合でサヨナラ負けしたあとも、誰もいなくなった一塁側ダグアウトに座り込み、長い間うつむき続けていた。汗だったのか、涙だったのかは分からない。しかし映像からは光るものも見ることができた。細川捕手がこの終戦に、どれだけの悔しさを抱いているかは我々ファンには想像もできない。

144試合すべてでスタメンマスクを被れなかった自分の未熟さを恨んでいたかもしれない。渡辺監督の信頼を得られなかったことを悔やんでいたのかもしれない。その胸中を計り知ることはできないが、2010年のペナントレース、最も悔しい思いをしたのは細川捕手であることに間違いはないだろう。

印象的だった。うつむき続ける細川捕手に声をかける者はひとりもいなかった。いや、かけたくてもかけられなかったのだろう。もし筆者があのダグアウトにいたとしても、どう声をかけて良いのか想像もできない。そしていくら考えたところで、適当な言葉が見つかるとも思えない。そんな細川捕手に対し、渡辺監督はどんな言葉をかけたのだろうか。そして細川捕手の起用に関し、渡辺監督はベストだったと細川捕手に伝えることができるのだろうか。

捕手とは、すなわちグラウンド上の監督だ。発展途上の捕手が簡単にこなせるほど、1軍の正捕手というポジションは甘いものではない。また、勝つべき試合で育成のために若い捕手を起用するという判断は、野球規則1.02「勝つことを目的とする」という項を犯している。細川捕手に休養を与えるために、若い捕手にチャンスを与えるのならばそれは筆者も賛成だ。しかし育てながら勝つということができるほど、渡辺監督は監督としてのキャリアには乏しい気がしないでもない。

打力を比べたのかもしれない。しかし中途半端な起用さえしなければ、細川捕手には打率.240前後、15本塁打、50以上の打点、20以上の犠打を記録できる能力がある。だが打席に立つ絶対数が極端に少なかったために、好調時と不調時の差があまりにも大きくなってしまった。年間200打席しか立たせてもらえない選手と、年間400打席以上立たせてもらえる選手の2人がいるとすれば、前者の選手の打率は、決して後者の打率を超えることはないだろう。実戦経験とは、それほど重要なものなのだ。中途半端な起用を続けて実績を残せるほど、1軍は甘くはない。それこそ、二兎追う者になりかねない。

右肩も癒え、今季は捕手として円熟味を帯びていた細川捕手だ。シーズンに対する捕手としての自信はかなりあったはずだ。にも関わらず、シーズンに入ると上本捕手の打撃好調という理由でスタメンを外されてしまう機会が増えてしまった。渡辺監督としては得点力の乏しさを打破したいと考えたのだろう。しかし投手が打席に立たないパ・リーグにおいて、捕手に必要以上の打力を求めるということは、言い換えれば首脳陣に「打線」を組む能力、作戦能力が足りなかったことを表している。もしライオンズがベースボールではなく、野球をしていたとすれば、細川捕手を主戦から外すという判断にはならなかったと筆者は考えている。

これは、筆者と友人が話していた想像でしかないのだが、石井一久投手は上本捕手とのバッテリーを拒んでいた可能性がある。実際のところ真実は分からないが、渡辺監督が細川捕手と上本捕手をめまぐるしく入れ替える中、一久投手の登板日だけは不自然に細川捕手しかマスクを被っていない。あくまでも想像と印象でしかないわけだが、これは決して偶然ではないはずだ。

とにかく今季のライオンズの戦い方に、筆者は悔いが残って仕方がない。昨年はグラマン投手の不在以上に、正捕手の不在が響いたシーズンだった。しかし今季正捕手の体調は万全だった。それなのに正捕手を置かないという采配には疑問しか残らない。伊東監督時代、実力の拮抗した細川捕手と、野田捕手に競争をさせたのとは訳が違う。捕手としての能力は、細川捕手はライオンズの中では飛び抜けている。

今日の試合に関してもそうだった。一久投手が放るワンバウンドのスラーブ、小野寺投手のワンバウンドのフォークを、細川捕手は決して後ろに逸らさなかった。それどころか、必ず右手の届く範囲にボールを留めていた。これだけのキャッチング能力があるからこそ、ピッチャーは思い切って低めに投げられるのだ。

パスボールの数だけを見れば、細川捕手よりも上本捕手の方が少ない。だがこの数字を勘違いしてはいけない。上本捕手に対しては、ピッチャーが思い切って低めに投げていないのだ。これは筆者だけの考えではなく、数人の元プロ野球捕手の解説者も同じことを口にしている。ではもし今季、細川捕手を正捕手にしていたらここまでチーム防御率は悪くなっただろうか?筆者は否と答えるだろう。思い切って低めに投げることができれば、それだけヒットを打たれる可能性は低くなり、防げる失点も多くあったはずだ。

筆者のような第三者であれば、このようなことをいくらでも言うことができるし、ブログに書くこともできる。しかし細川捕手は、例え万が一同じことを考えていたとしても、それを口に出すことは許されない。もし口に出せば、選手生命にも関わってくるだろう。選手の監督批判はそれほどの御法度なのだ。だからこそ、やはり筆者のように球団とは一切関わりを持たず、番記者のように何かを書いて球場への出入り禁止を食らう心配もない一介のファンが、その思い、考えをこうして発信していく必要があると思う。正確と言えないまでも、選手の代弁者になることも時には必要だと思う。

だが、細川捕手の悔しさを代弁することは、筆者にはとてもじゃないができることではない。だからこそ細川捕手にはこの悔しさを胸に、クライマックスシリーズでは不動の正捕手として今シーズンを悔いのない状態で締めくくってもらいたいと切に願うばかりだ。

そして最後に、福岡ソフトバンクホークスのみなさん、そしてホークスファンのみなさん、優勝おめでとうございます。負けた悔しさを胸にしながらも、心よりお祝いを伝えたいと思います。

2010年09月26日 21:46

2010/09/25 楽天vs西武 23回戦(帆足)

3:06
埼玉西武
東北楽天

東北楽天vs埼玉西武23回戦(Kスタ宮城:16,861人)
埼玉西武ライオンズ 12勝8敗1分

継投:帆足和幸~○長田秀一郎~S岸孝之
勝利投手:長田秀一郎 5勝3敗 3.27
セーブ:岸孝之 9勝6敗1S 3.43

ホームラン:中村剛也(22号ソロ、23号ソロ)

【ハイライト】


【ゲームレビュー】
残り3試合、負けられない戦いが続くライオンズ。先発を担ったのはサウスポーエースの帆足和幸投手だった。前日の夜には投手陣による決起集会を行った直後の登板。不甲斐ないピッチングをするわけにはいかなかった。勝つことが最低条件となるこの試合、帆足投手は見事なピッチングを披露してくれた。決してベストピッチとは言えなかったが、しかしチームを勝利に導く気迫こもる熱投だった。

だが4回、前の打席でソロホームランを浴びているルイーズ選手の打球が、帆足投手の左肘付近を直撃してしまう。残念ながらこのアクシデントにより、帆足投手はマウンドを降りることになった。だがその後を継いだ長田投手が好リリーフを見せてくれた。4回途中から打者8人に投げ、パーフェクトリリーフ。55試合目の登板で、経験したことのない疲労もあるはずだ。だが帆足投手の気迫をそのまま受け継ぎ、5勝目を挙げた。緊急登板で難しい状況であったはずだが、本当に集中したピッチング内容だった。

そして好投した長田投手からバトンを受け取ったのは、復帰間もない岸孝之投手だった。7回から登板し、最終回に1点を失ってしまうもののプロ入り初セーブ。9回はシコースキー投手も万全の準備が整っていたようだが、継投により流れを変えたくない渡辺監督は、岸投手続投のカードを切った。結果的に1点は失ったものの、これは渡辺監督なりのより確率の高い選択だった。この起用は勝利への執念を感じさせるに十分な継投だったと筆者は感じている。

間が重要視される野球というスポーツでは、他のスポーツ以上に「流れ」が勝負を大きく左右させる。そしてこの流れは、ちょっとしたことで相手に傾いてしまうし、ちょっとしたことで引き寄せることもできる。

投手交代をするということは、それだけ多くの間が必要になるということだ。間が増えれば増えるほど、流れは傾きやすくなる。だがその間を最小限にとどめた今日の渡辺采配により、流れを楽天に渡し切らなかった。もしあと1人・2人と投手を使っていれば、その間により流れが楽天に傾いてしまった可能性もあった。そう考えると、岸投手の続投は英断だったと思う。復帰間もなく、スタミナに不安のあった岸投手を続投させるという判断は、決して簡単ではなかったはずだ。

投手陣はよく頑張った。しかし森打撃コーチが言うところの「攻撃的打線」はまったく機能しなかった。痛かったのは、好調栗山選手の出塁を活かせなかったことだ。まず初回だが、栗山選手がヒットで出塁すると、ベンチは原拓也選手に初球からバントを命じた。実際には3球目に決めたわけだが、もう少し動いても良かったような気がしてならない。ただ送るのではなく、セーフティーバントを見せてから送ったり、偽盗やバスターを見せても良かった。そうすることによりピッチャーはリズムを失うし、キャッチャーも混乱し出す可能性が高い。だがライオンズベンチは、普通に送りバントをさせてきた。もちろん3・4番の名前を考えれば、一死二塁でも十分な得点チャンスとなりうる。しかし絶対に負けられない試合だ。今までと同じ野球をやっていては、今までと同じ結果しか出ない。それならば、念には念を入れてピッチャーのリズムを崩しにかかるべきだった。

楽天先発のラズナー投手の通算防御率は4.48だ。6回を投げさせたのなら、最低3点は取れなければいけない。だが6回2失点の防御率は2.99となり、通算防御率よりも1.5点少ない。これはいかにライオンズ打線が攻めあぐねたかを表している。

だが勝ったことがすべてだ。投手陣が踏ん張り、何とか首の皮一枚繋がった。しかし今夜勝ったホークスの優勝マジックは1だ。ホークスは残り1試合を勝てば、ライオンズの結果に関係なく優勝が決まる。しかしライオンズが勝ち、ホークスが敗れれば再び首位は入れ替わり、ライオンズにマジック1が点灯することになる。もはやライオンズに自力優勝の道は残されてはいない。とにかくあと2つ勝つしかない。人事を尽くし、あとは天命を待つより他はない。

明日の予告先発投手は優勝請負人石井一久投手だ。自身が優勝争いに加わり、優勝を逃したことはないと豪語した一久投手だ。彼ならば間違いなくチームを優勝に導く値千金の一勝を挙げてくれるはずだ!それだけを信じ、明日は15時から応援したいと思う!

2010年09月25日 21:37

2010/09/23 西武vs楽天 22回戦(涌井)

3:42
東北楽天 11
埼玉西武

埼玉西武vs東北楽天22回戦(西武ドーム今季最終戦:33,917人)
埼玉西武ライオンズ 13勝8敗1分

継投:●涌井秀章西口文也小野寺力~岡本篤志~岸孝之
敗戦投手:涌井秀章 14勝8敗 3.67

ホームラン:中島裕之(20号ソロ)

【ハイライト】


【ゲームレビュー】
今季レギュラーシーズンでの西武ドーム最終戦となったこの試合、大粒の雨が降りしきる中も、開場前からドーム前広場には長蛇の列が出来上がっていた。そしてそれはドーム前広場だけではなく、三塁側スタンドに直結しているレストラン獅子側の入り口も同様だった。連なった列は一階のグッズ販売コーナーまで繋がり、入り口の外まで続いた。ここまでの光景はなかなか見ることはできない。筆者が体感した西武ドームの混雑具合の中では、1999年5月16日のオリックス戦、松坂大輔投手とイチロー選手の初対決に匹敵するほどだった。恐らく日本シリーズでもここまで人が溢れるのは珍しいのではないだろうか。この一戦は、それほどファンの期待が大きいものだった。しかも先発したのはエース涌井秀章投手だ。必ずやマジックを減らしてくれるだろうという期待感を抱かずにはいられない。ところが結果はと言うと、投打共に伏兵で固められた楽天ナイン相手に、苦杯を舐めさせられてしまった。

しかもプロ初登板初先発の菊池投手相手にわずか2安打。2得点にしても押し出しのフォアボールと、ソロホームランによる2点のみ。打ち崩したという感覚はまるでなかった。外野外周通路にシートを貼ってまで観戦したファンたちを喜ばすことはできなかった。フラッグやジェット風船の数を見る限り、この日入った三万三千人以上の内、九割方は西武ファンだったと思う。しかし聞こえてくるのは歓声よりも、ため息ばかりだった。

書きたいことは山ほどある。だがすべてを書いてはとても書き切れない。そのため今回は、監督の采配に絞って書いていこうと思う。

渡辺久信監督は、筆者が子どもの頃最も憧れた野球選手だった。それもあり筆者は野球チームでは41という背番号を背負っている。最も憧れた選手だからこそ、渡辺監督に対しては理想を高く持ってしまうのも正直なところだ。そして期待度も高い。だが昨季から今季、特に今季の渡辺監督の采配には疑問を感じることが多い。この試合でもそうだった。エース涌井投手と心中するつもりで中4日登板させたにも関わらず、打たれると見るや僅か3イニングで降板させてしまった。もちろんこの降板が間違いというわけではない。筆者が疑問に思うのは、エースに立ち直りの切っ掛けを与えられなかったということだ。

2回には2連続ホームランを浴びてしまった涌井投手だが、これに関しては配球の問題が一番だったと思う。まず山崎選手に打たれたホームランだが、これは甘いストレートを打たれたものだった。ベテランの山崎選手に対し、力のある速いストレートという選択は間違いではない。しかし打たれるまでの布石を見ると、明らかにストレートで勝負することが見え見えの配球だった。これでは例えコースが甘くなかったとしても、ホームランを打たれる可能性は低くはなかっただろう。そしてルイーズ選手に対してもそうだ。ストレートの使い方があまりに中途半端だった。

ここ数試合の涌井投手を見れば、自信を失っていることは明らかだ。現に筆者が見る限りでは、この日の涌井投手のボールは決して悪くはなかった。時々抜けたり、引っかかったりする場面は見受けられたが、完投勝利を期待できるほどのボールだったのではないだろうか。だが結果的には3回4失点でのKO負け。自信を失っている投手に捕手を引っ張らせるという采配は間違いだ。いつもであれば上本捕手に対し遠慮なく首を振る涌井投手も、この試合では首を振ることはあまりなかった。そしてそれは当然のことだ。自信を失った投手が、捕手のサインに自信を持って首を振れるはずがないのだ。

それならば涌井投手が安心して投げられる環境、つまり球界トップクラスのリード力を持った細川亨捕手を起用すべきだった。上本捕手をスタメンで使うにしても、4回、交代させるべきは涌井投手ではなく、上本捕手だったと筆者は強く感じている。そもそも涌井投手と心中すべく迎えたこの試合だったはずだ。なぜ涌井投手と心中しなかったのだろう。そして投手出身の渡辺監督であれば、捕手が代わるだけで投手の心理が一気に変わることも理解しているはずだ。打たれた投手を交代させるだけの監督ならば、それは二流だ。打たれた投手を立ち直らせてこそ一流の監督と評される。一年目の渡辺監督にはそれがあった。2007年まで不調に喘いでいた星野智樹投手を、就任一年目の2008年には見事復活させている。もちろん例は星野投手のみではないが、しかし今季に関しては選手を生き返らせる采配がまるで見えてこない。まったく渡辺監督らしくないのだ。

打たれれば代える、打てなければ代える。それが今季の渡辺采配だったように感じてならない。もっと言わせてもらえれば、采配にプロセスが感じられなかった。プロセスなしに優勝したとしても、そういうチームは決して常勝時代を築き上げることはできない。渡辺監督の言葉を借りるとすれば、それはまさに「フロック」にしかならないわけだ。監督は選手を信頼することが大前提だ。しかし信用、過信してはならない。そして期待をしてそれが裏切られれば、敗因を選手にぶつけてしまうことにもなりかねない。現に今季の渡辺監督は、選手を名指しでプレー批判することが少なくなかった。

もちろんこれは、筆者には見えていない部分が多いからこそ感じられることだ。実際には一流監督と呼ぶに相応しい采配を行っているのかもしれない。だが筆者にはそれが見えないため、あくまでも筆者個人の感想としてこの記事を受け取ってもらえれば幸いだ。

この試合、わずか3イニングでエースを諦めた渡辺采配。エースを立ち直らせることなくクライマックスシリーズに挑んだところで、果たしてどれだけの戦いができるのだろうか。可能性としては、涌井投手は9月29日の今季最終戦での先発機会が残されている。ここまで141試合を消化し、残りは泣いても笑っても3試合のみだ。西武ドーム最終戦セレモニーで渡辺監督は「3連勝して西武ドームに戻ってくる」と宣言したが、ファンとしてこれを本当に期待して良いものか迷いが生じる。だが優勝するためには3連勝するしか道はない。厳しい戦いになることは十分予想される。しかしその厳しさに屈することなく、強き獅子の誇りを胸に戦い抜いて欲しい!


スタンドに掲げられたビッグユニフォーム


最終戦セレモニー

2010年09月24日 21:38

#52 ホセ・フェルナンデス



#52 ホセ・フェルナンデス - José Mayobanex Rojas Fernandez

内野手、右投右打
エバンジェリスコ工業高校~マドレ・イ・マエストラカトリック大学~モントリオール・エクスポス~アナハイム・エンジェルス~SKワイバーンズ~千葉ロッテ~西武~楽天~オリックス~埼玉西武ライオンズ
ドミニカ共和国出身、1974年11月2日生、192cm / 100kg
2010年9月7日日本ハム戦、日本通算1000本安打達成

ホセ・フェルナンデス選手の退団が決定的に
2010年6月26日、フェルナンデス選手の5年振りのライオンズ復帰会見が行われた。フェルナンデス選手が初めて日本でプレーしたのは2003年の千葉ロッテだった。だが翌年から千葉ロッテの監督がボビー・バレンタイン監督に代わると、3割・30本・100打点を記録したにも関わらず、自由契約となってしまう。シーズン開幕直後での千葉ロッテへの合流で、名目上は「活躍する時期が遅すぎた」と言われていたが、実際にはボビーが連れて来る外国人選手に押し出されたという形だった。だが結果的にそれが奏功し、2004~2005年はライオンズのユニフォームを着ることとなった。

ライオンズ1年目のフェルナンデス選手は、とにかく古巣ロッテ戦で打ちまくった。やはり結果を残したにも関わらず解雇されたということで、古巣に対し意地を見せたかったのだろう。そして年間を通しても.285、33本、94打点と期待通りの活躍を見せてくれた。そして2位からのし上がったプレーオフでは8試合で4本塁打と大暴れし、中日との日本シリーズでもホームランを放っている。とにかく勝負強いという印象がある選手だった。

しかし素晴らしい打撃を見せてくれる反面、守備に関しては決して上手いとは言えない。体の大きさももちろん関係あるのだが、正面のゴロをかんたんにトンネルしてしまったり、ハンドリングが固かったり、送球難であったりもする。だが守備に対する意識が低いかと問われれば、筆者はそうではないと確信している。確かに楽天時代、サードゴロを勝手にファールだと決め付けてしまい、自らはファーストに入ることを怠り内野安打にしてしまったという失態は演じているが、しかし守備に対する意識は決して低くはない。

守備に難があることは本人も承知している。そのため2004~2005年の西武時代には、コーチに直訴して特守を行うことも多々あった。本人も必死だったと思う。2004年はバットで日本一に大きく貢献したとは言え、守備で足を引っ張ることも少なくはなかった。投手に対して、チームメイトに対して申し訳ない気持ちもあったのだろう。だがそれが災いしてしまった。守備に意識を持って行き過ぎてしまい、2005年は打撃の調子を落としてしまう。数字だけを見ると.293、26本、84打点なのだから立派な結果を残している。だが期待されていた本塁打と打点が、前年を大きく下回ってしまった。

前回ライオンズに所属していた頃、最も印象に残っているフェルナンデス選手の姿は試合開始前のものだった。フェルナンデス選手は試合が始まる直前になると、内野と外野の中間地点を使ってランニングやストレッチなどのウォームアップを行っていた。そしてその時、ポケットはいつも大きく膨らんでいる。そう、それはファンにプレゼントするためのサインボールだ。フェルナンデス選手は試合前、必ずサインボールを毎試合2個ずつファンにプレゼントしていた。筆者はその姿を今なお鮮明に覚えている。だからこそ2005年オフ、守備難と高騰した年俸を理由に自由契約にされてしまった時は、残念で仕方なかった。

だが今季、フェルナンデス選手は5年振りにライオンズに帰ってきてくれた。これは4番中村剛也選手の故障や、ディー・ブラウン選手の不振の穴を埋めるための緊急補強だったわけだが、7月から1軍に合流すると、期待通りの活躍を見せてくれている。合流後は50試合に出場し.329、8本塁打、40打点と打ちまくっている。しかもプレー中に脚を痛めても決して弱音を吐かない。全力疾走できない状態ではあるが、それでもプレーをし続けている。

守備に関しても、2004年は一塁手として21試合に出場し、4つのエラーを記録しているのだが、今季は47試合で一塁の守備に就き、エラーはわずかに1つだけだ。守備率で言えば.997という素晴らしい数字を記録している。もちろん守備範囲の狭さは否めないが、しかし手の届く範囲のプレーは無難にこなしてくれている。

このままプレーオフでも今まで通りの活躍を続けてくれれば、来季の契約を結ばない理由はないだろう。フェルナンデス選手は日本暮らしが長いこともあり、簡単な会話であれば通訳を必要としないらしい。おまけに趣味は日本語研究ときている。リーダーシップや人望もあり、無形の貢献度は計り知れない。そして楽天時代から行っている、活躍した後の哲学的コメントも注目度が高い。カトリック教徒(キリスト教)ということもあり、聖書から学んだ言葉を野球に反映させているようだ。これはチームにとってだけではなく、ファンにとっても勇気を与えられる言葉だ。

現在のライオンズは、黄金時代や野武士時代と比べると、とにかく勝利への執着心が薄い。だがフェルナンデス選手にはそれがある。フェルナンデス選手には今後もチームの中心選手として、勝利に対するファイティング・スピリッツをチームに注入してもらいたいと思う。そして自らの打棒により、チーム、そしてファンを2年振りの日本一に導いてもらいたい!

 打撃成績 Batting Results














































 モントリオール・エクスポス
1999 8 25 24 0 5 2 0 0 7 1 0 0 0 0 1 0 0 7 1 .208 .240 .292
 アナハイム・エンジェルス
2001 13 27 25 1 2 1 0 0 3 0 0 1 0 0 2 0 0 10 0 .080 .148 .120
 SKワイバーンズ
2002 132 556 499 81 140 24 0 45 299 107 4 4 0 1 49 2 7 114 8 .281 .353 .599
 千葉ロッテマリーンズ
2003 126 537 478 83 145 30 1 32 273 100 4 5 0 2 54 1 3 106 16 .303 .376 .571
 西武ライオンズ
2004 131 580 513 87 146 23 1 33 270 94 5 1 0 0 53 3 8 117 9 .285 .361 .526
2005 120 473 420 60 123 26 1 26 229 84 5 1 0 3 46 4 4 91 12 .293 .366 .545
 東北楽天ゴールデンイーグルス
2006 132 552 490 72 148 33 0 28 265 88 2 0 0 6 53 5 3 75 18 .302 .370 .541
2007 132 502 444 52 120 15 1 22 203 79 8 7 0 4 49 4 5 94 16 .270 .347 .457
2008 142 606 541 81 163 40 0 18 257 99 5 3 0 5 53 1 7 78 12 .301 .368 .475
 オリックス・バファローズ
2009 117 447 410 43 107 21 0 15 173 47 4 0 0 2 31 1 4 71 15 .261 .318 .422
MLB 21 52 49 1 7 3 0 0 10 1 0 1 0 0 3 0 0 17 1 .143 .192 .204
KBO 132 556 499 81 140 24 0 45 299 107 4 4 0 1 49 2 7 114 8 .281 .353 .599
NPB 900 3697 3296 478 952 188 4 174 1670 591 33 17 0 22 339 19 34 632 98 .289 .359 .507

2010年09月17日 15:10

2010/09/16 オリックスvs西武 最終戦(西口)

3:50
埼玉西武
オリックス × 11

オリックスvs埼玉西武最終戦(スカイマーク:24,831人)
埼玉西武ライオンズ 14勝10敗0分

継投:西口文也~H長田秀一郎~●小野寺力グラマン
敗戦投手:小野寺力 1勝3敗 3.75

ホームラン:高山久(11号2ラン)
盗塁:浅村栄斗(2)

【ハイライト】


【ゲームレビュー】
今夜はまさかの展開だった。シコースキー投手を右肘の張りで欠き、苦しいブルペン事情が顕著に出てしまった敗戦となった。3-2とリードしていた8回裏、土壇場で一挙に5点を失うというダメージの大きな敗戦だ。ホークスも敗れたためマジックは4となったが、ポストシーズンに向けて不安の残る敗戦になってしまった。

渡辺監督は打たれたグラマン投手に対し「勝負を託したけど、大誤算だった」とコメントしていたが、前日のグラマン投手の内容を見れば決して大誤算ではなかったはずだ。昨日は打者4人に対し2被安打1四球。1点差という大事な場面で勝負を託していいほどの結果は残していない。結果を残せなかったグラマン投手にももちろん責任はあるが、それ以上に責任が大きいのは、現状のグラマン投手に勝負を託した指揮官の選手起用にあると言える。

やはりグラマン投手は、長期間実戦から離れていたというブランクがまだ尾を引いているのだろう。球威は戻ってきているとは言え、全体的にコントロールが甘い。細川亨捕手の構えるミットよりも、ボール1~2個分真ん中寄りに入ってしまうケースが多い。だがこれを意識すると、今度は明らかなボール球が続いてしまう。今夜の内容はまさにその典型だった。2-0とボールが先行してしまい、ストライクを取りに行ったボールが真ん中に入ってしまい、T-岡田選手にまさかの満塁弾を浴びてしまった。

いわゆる「勝負慣れ」していないというのがグラマン投手の現状だろう。練習やファームで好投することができても、やはり1軍とは雲泥の差がある。ファームでの活躍がそのまま1軍で通用するかと言えば、実際はそうでないことの方が多い。だがこれも首脳陣の采配ミスだったと言うことができる。

ブラウン選手の登録抹消は明らかに予測できていた。実際に抹消されたのは8月28日だったが、これは予想外に遅いタイミングだった。筆者は8月上旬には抹消するだろうと考えていたからだ。それほどまでにブラウン選手のバッティングには迷いが付きまとっていた。

「たら・れば」でしかないのだが、もしブラウン選手の抹消を早め、もっと早い時期からグラマン投手を1軍で慣らすことが出来ていれば、今夜のような結果にはならなかったと思う。今季わずか6試合目、しかも故障上がりの投手にとっては今夜の登板はあまりにもシビアすぎる場面だった。

昨日にしても今日にしても、グラマン投手のボールそのものは悪くはない。グラマン投手が自ら言うように、調子自体は決して悪くはないのだ。だが実戦不足による制球の不安定さが投球内容に直結してしまっている。コントロールが乱れるにしても、バッターから遠い方にずれる分には問題ない。だがバッターに近い方にずれてしまうと、球威がいくらあっても150km以下のボールでは上手く当てられてしまう。田口選手にライト前に運ばれたボールもそうだった。おそらくチェンジアップだったと思うのだが、明らかに右打ちを狙っているバッターに対し、外角低めに投げてしまった。もしこのボールが内角に決まっていれば、かなり高い確率で打ち取れていたと思う。

グラマン投手の場合は、もう少し実戦経験が必要になるだろう。左肩にはもう不安は感じていないようだし、あとは場数を踏んで、1軍のマウンドでもブルペン同様のピッチングができるようになれば、必ず復調してくるはずだ。そのためにもシビアすぎる場面で起用するのではなく、ある程度ゆとりのある場面で試運転を続けさせてあげたい。グラマン投手は優勝するためには欠かせない戦力であるため、首脳陣には積極的に試運転の場を設けて欲しいと思う。結果が出ないからと言ってすぐにファームに落としてしまうのでは、決してグラマン投手のプラスにはならないだろう。

2010年09月17日 02:08

2010/09/15 オリックスvs西武 23回戦(平野)

3:29
埼玉西武
オリックス 13

オリックスvs埼玉西武23回戦(スカイマーク:14,454人)
埼玉西武ライオンズ 14勝9敗0分

継投:○平野将光~土肥義弘~小野寺力藤田太陽グラマン~S岡本篤志
勝利投手:平野将光 4勝4敗 4.39
セーブ:岡本篤志 2勝1敗1S 3.49

ホームラン:中島裕之(17号2ラン)

【ハイライト】


【ヒーローインタビュー】


【ゲームレビュー】
中村剛也選手が心配だ。9月10日、愛妻の誕生日にはおかわり弾を放った中村選手だったが、ここ数試合のバッティング内容を見続けていると、ポストシーズンに向けて大きな不安を残すものとなっている。今季も故障さえなければ当然ホームラン王争いに加わっていただろうし、打率もキャリアハイを更新するものと期待されていた。だが結果的に右肘の手術を要することとなり、今季の大半を棒に振る形となってしまった。

まず見ていて一番気になる点は、スウィングの始動が好調時よりも遅いということだ。そして右手による押し込みにも弱さを感じる。中村選手のバッティングを見る際、ぜひ見て欲しい点がある。それはバックネット側へのファールの方向だ。ここ最近の中村選手のそれは、真後ろばかりに飛んでしまっている。ファールが真後ろに飛ぶということは、中村選手の場合はタイミングが遅れているということを意味する。

中村選手のバッティングポイントは、ホームランバッターらしくかなり前にある。そのポイントで一時停止するとすれば、バットは二塁手の方を指す形となる。このベストのポイントでバックネット側にファールを打つと、ボールはバックネットの一塁寄りに向かって飛んで行く。これが中村選手の好調時のファールだ。だがここ最近は、このファールが真後ろに飛んでしまうことが多い。つまりバットがポイントに到達する前、ピッチャーズプレートに対しバットが平行にしかなっていない段階で打たされ、差し込まれてしまっている。

例えばこれは、片岡易之選手の場合だと話は変わってくる。片岡選手はポイントをかなり後ろに設定しており、ピッチャーズプレートとバットが平行になる地点にポイントを持っている。この場合はファールが真後ろに飛んでいる時が、好調のバロメーターとなる。

話を中村選手に戻すが、筆者ですら気付いているため、パ・リーグ5球団のスコアラーは当然このことに気付いているはずだ。ということは残り少なくなったレギュラーシーズン、そしてプレーオフと、中村選手の調子が変わってこない場合、他球団は徹底して速いボールで攻めてくることになるだろう。バッティングの始動が遅いということは、振り遅れを意味する。振り遅れているということは、変化球などの遅いボールで勝負をしてしまうとタイミングが合ってしまう危険性が高くなる。そのため勝負どころになれば、他球団はパワーピッチャーを中村選手に対しぶつけてくることになるだろう。

そして他球団のスコアラーが気付いていれば、中村選手自身も当然気付いているはずだ。だが中村選手自身は、これはすぐに修正することは難しいかもしれない。その理由は、まだ右肘が万全ではないためだ。手術後はチーム事情により、万全になる前に1軍に呼ばれてしまった。現時点、恐らく完治には至っていないはずだ。そこで考えられることと言えば、冒頭にも書いた右手による押し込みの弱さだ。右肘にまだ不安を抱えるため、右腕で押し込むことがまだ出来ていない。これも始動の遅れを招き、差し込まれている原因になっている。

右肘の術後が劇的に回復しない限り、中村選手はスピードボールに苦しめられることになるだろう。この対処法を挙げるとすれば、ポイントをずらすということが一番手っ取り早い。つまり振り遅れている分ポイントを後ろにし、速いボールをライト方向に打ち返す意識の徹底だ。これができるようになれば、残り少ない今季も今以上にスピードボールに苦しめられることはなくなるだろう。だがそう簡単にできることではないため、しばらくは中村選手の苦悩は続くことになるだろう。

2010年09月17日 01:30

2010/09/14 オリックスvs西武 22回戦(石井)

2:42
埼玉西武
オリックス ×

オリックスvs埼玉西武22回戦(京セラドーム:23,400人)
埼玉西武ライオンズ 13勝9敗0分

継投:●石井一久小野寺力
敗戦投手:石井一久 9勝5敗 3.56

盗塁:片岡易之(58)

【ハイライト】


【ゲームレビュー】
渡辺監督はこの敗戦後、非常にさばさばした表情を見せていた。だが本当にこれで良いのだろうか?オリックスの先発金子投手には今季、これで5戦5敗となった。クライマックスシリーズでの対戦の可能性もあるだけに、この試合は是が非でも打ち崩しておきたいところではあったが、調子の良くなかった金子投手相手に、またも苦杯をなめさせられてしまった。

森打撃コーチは、最も割合の高いストレートを狙っていくしかないと言う。確かに作戦の1つとしては有効だと思う。しかし過去4試合も同じようにして負けてきたのだから、いつまでも同じ作戦を取っていても仕方ないところだと筆者は考えている。まず今季のライオンズは、野球ではなくベースボールになってしまっているのが気がかりだ。勝てる時は横綱野球で勝てるが、しかし負ける時はその真逆になってしまうことが多い。この試合に関しても、金子投手が好調なのであれば2-3は決して悪いスコアではない。しかし調子の良くなかった金子投手相手に2得点というのは、これは作戦上に不備があったとしか言えない。

さて、今のライオンズはベースボールをしていると言ったわけだが、これを少し簡単に説明したいと思う。本来野球というスポーツは、緻密な戦略を競い合うスポーツだ。例えば盗塁1つ取って見ても、何球目に走るのか、どのカウントで走るのか、どの打者の時に走るのかというのは、状況によって変わってくる。片岡易之選手のように、グリーンライト(個人の判断で走って良いという許可)をもらっている選手であれば、とにかく1つでも先の塁を狙っていけばいい。だが片岡選手ほど脚が速くなくても、盗塁することは十分に可能なのだ。

だがそのためには戦略、戦術、作戦、データなどが必要だ。例えば金子投手がカーブを投げてくる可能性が高い投球時であれば、片岡選手でなくてもかなりの高い確率で盗塁はセーフになる。果たして渡辺監督がそれらのデータをどこまで活用しているのか、筆者には分からない。だが監督として、野村克也監督の影響を大きく受けている渡辺監督なのだから、データの重要性は重々に理解しているはずだ。となると、ポイントはコーチ陣ということになるだろう。

打撃コーチ、走塁コーチ、バッテリーコーチそれぞれがしっかりとデータ分析を行っていれば、配球や牽制に関してはほとんどのケースで予測が可能となる。例えば牽制球であれば、2回続けたら3回目は100%ない投手、3回目もある投手など、これはデータから確かな数字を得ることができる。高校野球の監督でそれらのことを理解されている方は、反対側から見るケースもある。つまり盗塁をする側からではなく、される側としてのデータ活用だ。高校野球の場合、牽制球を2回続けると、ほとんどのケースでランナーはスタートを切れなくなってしまう。これを理解されている監督は、重要な場面では必ず牽制球を複数回投げるようにさせている。

よく、プロ野球はプロなんだから、高校野球みたいな泥臭い野球をすべきではないと言われることがある。しかしこの考えに筆者は賛同はできない。プロ野球は、常にアマチュア選手の見本になる野球をすべきだと思う。こうして考えて行くと、ベースボールは日本人のアマチュア選手にとって良い見本になるとは言い切れない。金子投手対策にしても、ストレートに的を絞るということだけでは、作戦としてはあまりにも物足りない。ましてやこの試合の敗戦で今季5戦5敗なのだからなおさらだ。

ではどのような作戦を取ればよかったのか?答えから言うとすれば、それはベースボールではなく野球をすべきということになるだろう。例えば右投げの金子投手の場合、三塁側に強いバントをされて、それを捕って一塁に送球するとどうしても体勢が崩れやすくなる。弱いバントではあまり意味はないが、右ピッチャーに捕らせる三塁側の強いバントは、逆シングルで捕る可能性が高くなる。この場合、捕りに行ったピッチャーの体はファール方向に対して勢いがつくため、体勢が崩れやすいということと合わせて考えると、セーフになる可能性が高くなる。

もしコントロールの定まっていなかった序盤にセーフティ攻撃を仕掛け、金子投手のフォームを崩すことに成功していれば、フォアボールを稼げた可能性も考えられる。特に先頭打者のフォアボールは、先頭打者のエラーによる出塁に次いで得点率が高くなる状況だ。

ここで注意しておきたいのは、セーフティーバントは必ずしもセーフにならなくてもいいということだ。例えば初球セーフティーの振りをする。すると投手は当然チャージをかける。これが見送りのストライクとなっても構わない。そして2球目はボールゾーンに来るとする。これにもセーフティーの振りをする。もちろん投手はチャージをかける。ここから3~4球目に実際にセーフティーバントをすれば、投手は少なくとも3~4回はチャージをかけることとなり、これは体力の消耗だけではなく、ピッチングフォームを狂わせる大きな要因ともなる。例えセーフティーバントがアウトになったとしても、得るものは大きい。

ライオンズのチーム打率は.270(27%)前後だ。ということは単純計算をすれば、打者10人打ったら多くてもその内の2~3人にしかヒットが出ないということになる。そしてこのヒットが連続で出る可能性を考えればさらに率は低くなり、相手が金子投手ともなればもっと低くなると考えられる。それならば、ヒット以外で出塁する術を考える必要があるだろう。
※この試合の対金子投手の対戦打率は.185で、連打率は0%だった。

もしクライマックスシリーズでオリックスと対戦することになった場合、金子投手相手に見す見す1勝を提供するわけには行かない。いくら連勝中の金子投手と言えど、首位チームとしてそこまで簡単に勝利を献上してしまっては、ライオンズの名が廃るというものだ。レギュラーシーズンではもう金子投手との対戦はないが、もしクライマックスシリーズで対戦することになったら、ライオンズには5敗分の1勝をそこで挙げてもらいたいと強く願っている。

2010年09月16日 15:30

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