
2010/08/20 日本ハムvs西武 18回戦(平野)

| 3:12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 9 | 0 | |
| 北海道日本ハム | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1× | 5 | 12 | 0 |
北海道日本ハムvs埼玉西武18回戦(札幌ドーム:25,735人)
埼玉西武ライオンズ 8勝10敗0分
継投:平野将光~シコースキー~●岡本篤志
敗戦投手:岡本篤志 2勝1敗 3.90
盗塁:片岡易之(49)
【ゲームレビュー】
一週間ほど前から今日の試合は涌井秀章投手とダルビッシュ投手の親友対決になるであろうと予想されていた。しかし渡辺監督は相手のエースに対し自軍のエースをぶつけるのを避け、平野将光投手を先発に指名した。この采配に、筆者は少なからずガッカリしてしまった。この采配は3連勝を狙いに行ったものではなく、2勝1敗を狙いに行ったものだと感じたからだ。この時点で今夜の敗戦は、ある程度は予測できていた。一時は4-1とリードを奪うものの、9回裏土壇場で同点3ランを浴び、10回も岡本篤志投手が3連打を浴びサヨナラ負け。このサヨナラ負けは、渡辺監督の消極的な采配が呼んだと言っても決して過言ではないだろう。
今回の3連戦、初戦のダルビッシュ投手と3戦目の武田勝投手の先発はほぼ確定的だった。2戦目に関しては筆者は誰が来るのだろうと考えていたのだが、少なくともダルビッシュ投手や武田投手以上の投手が出てくる可能性はない。そう考えると、もし渡辺監督ら首脳陣が3連勝を目論んでの采配を取っていたら、先発の順番は涌井-平野-帆足になっていたはずだ。だが渡辺監督は3連勝を目指すのではなく、2勝1敗で良いという戦術を取ってきた。もちろんこれが間違いとは言わない。しかし優勝を狙うチームの最高指揮官には、下位チームが相手なら3連勝を目指す野球をして欲しかった。そういう意味で筆者はガッカリしてしまったのだった。
サヨナラ負けを喫したとは言え、平野投手は素晴らしかった。7月15日にプロ初完投・初完封を演じた時同様、日本ハム打線に付け入る隙を与えなかった。ボールに関しては、ベストな状態である時の平野投手と比べると物足りなさはあったが、しかし上手くバッターの目線をずらし、タイミングを外していた。試合が始まる前は4.00だった防御率も、試合後には3.46まで抑えてきた。登板している試合をトータルで見て行くとまだまだ安定感に欠ける部分は多いが、しかし今夜のような好投を積み重ねていけばピッチングに余裕が生まれ、もっと広い視野を持ってマウンドに登れるようになるだろう。次回の登板にも大きな期待を抱かせてくれる今夜の投球内容だった。
打つ方に関しては、左肩の痛みで中島裕之選手を欠いたとは言え、ダルビッシュ投手を相手によくヒットを続けたと思う。だがテレビの解説者も言っていた通り、今夜のダルビッシュ投手は内角を上手く攻め切れていなかった。内角で勝負をしたいという意図を配球から感じ取れはしたのだが、7回は内角を攻める前にライオンズ打線に捕まってしまった。結果的に見れば外角一辺倒だったという見方もできる。バッターの的の絞り方は大きく分けて2つある。球種か、コースかだ。今夜のダルビッシュ投手はほとんどが外角だったため、ライオンズ打線は内角を捨てることができた。球種とコースの内、コースを迷わずに済んだため、バッターからすれば外角だけに集中することができる。コースに的を絞り外角だけに集中することができれば、狙った球種が来なかったとしても1軍クラスのバッターであればヒットできる確率は一気に高まる。
今夜のダルビッシュ投手が外角に投げ切れなかったのか、それとも投げなかったのかは分からない。しかし結果的に内角攻めがほとんどない状況になってしまったため、ライオンズ打線に隙を見せることになってしまった。ダルビッシュ投手がベストピッチできていない状態だったとは言え、球界のエースの隙を逃さずに突いたライオンズ打線は見事だったと言える。そしてもちろんそれは森打撃コーチの作戦だったに違いない。
さて、今夜はもう1つブラウン選手についても少し書いておこうと思う。ブラウン選手は自らを「中距離ヒッター」だと評価している。アメリカ時代のプレーを見る限りでも、ブラウン選手は確かに中距離ヒッターだ。だが打率は未だに.240台前半と低迷している。チャンスでの集中力は素晴らしいと思うのだが、しかし「助っ人」として来日している選手としては、数字的には明らかに物足りない。1年目の5~6月までならこの数字でも構わないと思う。しかし日本のピッチャーの配球にも十分慣れてきたこの時期になっても打率が上がらないというのは、この先を考えるとやや不安が残る。
今夜の試合でブラウン選手の連続試合ヒットは7に延びたのだが、しかしそのいずれも単打か内野安打だ。外国人バッターとしての恐さがまるで感じられない。長打率を見てもブラウン選手は.451で、平尾博嗣選手の.441とほとんど変わらない。そして中島選手の.519、フェルナンデス選手の.524には遠く及ばない。これはなぜなのか?その理由は、ボールに対しある一点でしかコンタクトできていないためだ。ボールがそこを通ってくれればヒットになるが、通ってくれなければヒットにはならない。そして当然だが、そこを通ってくれる可能性は非常に低い。
一方の中島選手やフェルナンデス選手の場合は、ボールを線上で捕えることができている。つまり、ボールの軌道上にバットの軌道を水平に入れられているということだ。これができれば、多少タイミングを外されたとしてもボールをジャストミートさせることは可能だ。
グラマン投手の肩が癒え、いつ1軍復帰をするかが待ち遠しいこの頃だ。グラマン投手を1軍に上げるためには許投手かブラウン選手、どちらかが2軍に行かなければならない。岸投手の離脱がなければ許投手の抹消が考えやすかったが、しかし岸投手がいない今、しっかり試合を組み立てられている許投手を外すわけにはいかないだろう。そう考えると藤田投手・星野投手を欠く今、ブラウン選手を抹消してグラマン投手を上げ、8・9回を磐石のものにするという考え方も悪くはないと思う。いずれにせよ近々ブラウン選手の見極めは行われるだろう。特に中村剛也選手が帰って来た時にその可能性は高くなる。
ブラウン選手が来季もライオンズでプレーをするためには、早急に何かを変えなければならない。チームがブラウン選手に求めているのは単打による連続試合ヒットではない。その点を見失うことなく、ブラウン選手にはもっと積極的なバッティングを見せてもらいたいと筆者は願っている。


2010年08月20日 21:29 Tweet


