
2010/08/13 西武vsオリックス 16回戦(涌井)

| 3:41 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 5 | 1 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | × | 4 | 11 | 1 |
埼玉西武vsオリックス16回戦(西武ドーム:25,389人)
埼玉西武ライオンズ 9勝7敗0分
継投:○涌井秀章~H土肥義弘~岡本篤志~H小野寺力~Sシコースキー
勝利投手:涌井秀章 13勝6敗 3.14
セーブ:シコースキー 1勝2敗29S 1.30
盗塁:片岡易之(46、47)、栗山巧(11)
【ハイライト】
【ヒーローインタビュー】
【勝利監督インタビュー】
【ゲームレビュー】
昨年の9月以来となる6連勝を記録したこの試合、先発をしたのはエース涌井秀章投手だった。さすがに西武ドームで今季7勝を挙げているだけあり、安定感のある自信に満ち溢れたピッチングだった。まだまだ絶好調とは言えない球質だとは思うが、しかし上り調子と見て間違いないだろう。5回、浅村選手がサードゴロをトンネルしてしまった後も、決して失点しなかったところなど、まさに「エース涌井秀章」らしい奮投だった。
ただ心配だったのは1つだけ。6回に右脚ふくらはぎをつった場面だった。西武ドームの湿度と暑さを思えばつっても不思議ではないのだが、しかし投げた直後の痛がる姿を見ると、一瞬ヒヤッとした。だが試合後の渡辺監督の談話を聞く限りでは、心配する必要はなさそうだ。
涌井投手が脚をつったことで、ブルペンは相当慌てたはずだ。涌井投手が投げている試合では、まさか6回に救援が必要になるとは考えていなかっただろう。6回は何とか投げ抜いたが、7回のエースの降板は計算外だったに違いない。だがそんな場面に於いてもリリーバーたちはよく頑張ってくれた。7回途中から登板した土肥投手は気合いの火消し役を演じ、8回に岡本篤志投手がピンチを招いてしまったあとの小野寺投手のピッチングも見事だった。1球だけとんでもないワイルドピッチをしてしまったが、しかし結果的にはパーフェクトリリーフだった。
さて、数日前に筆者は大島裕行選手に対し、外角球も無理に引っ張る傾向があり、これが調子を落とす原因にもなるということをここで書いた。だが今夜のバッティングどうだろうか!2005年以来の3安打猛打賞を記録し、そのうち2本がレフトへのヒットで、もう1本もセンター返しだった。左バッターの大島選手が逆方向、センター方向へきっちり打ち返すバッティングができれば、好調はしばらくの間持続できるはずだ。力んで無理に引っ張らない限りは、大島選手は再びヒーローになることができるだろう。
ところで「バッティングの基本はセンター返しだ」という言葉を良く耳にするし、筆者自身打撃指導をする際はそのことを選手によく言って聞かせている。だがなぜセンター返しが基本なのだろうか。そのことを理解していなければ、ただセンター返しという言葉を繰り返すばかりで意味を成すことはないだろう。
打球というのは物理的に考えると、ボールが飛んでくる軌道に対し身体を水平にしてバットスウィングした時が一番遠くまで飛んでいく。つまりバットを振る際の右肩と左肩を結んだラインの先にピッチャーがいる状態だ。この状態でジャストミートした時が、ボールは最も遠くへ飛んで行く。昔の野球人たちはそれを理解していたからこそ、レフトやライトと比べるとセンターを深くして球場を設計したのだ。ホームベースからレフトとライトへの距離と、センターまでの距離を比べると、20~30mセンターの方が深くなっている。
だが上述したのはストレートであることが前提だ。ボールをより遠くへ飛ばすためには、ボールのより大きな面積をバットで叩く必要がある。方位磁針を例に挙げて説明をすると、ボールはN極からS極に投げられるものとする。この時バットは、E極とW極に対し直線を結んだ状態でボールにぶつけることがバッティングの理想形だ。ストレートに対しこのバッティングができれば、ボールはほぼ確実にセンター方向へと飛んで行く。そしてバットと腕の関係を見ると、交わりはほぼ直角となっているはずだ。
以上の理屈を今夜の大島選手に当てはめて考えると、以下の通りとなる。
1打席目、ストレートをセンター前ヒット
2打席目、変化球をレフト線への2ベース(ヒット&ラン)
3打席目、スライダーをレフト前ヒット
1打席目に関して言えば、まさに上述した理屈の通りだ。2打席目はヒット&ランが掛かっていた場面だったので、これは理屈ではなく大島選手の集中力が生んだヒットと言えるだろう。そして3打席目はスライダーを打った。左打者にとり右投手のスライダーは、レフト方向から向かってくるボールとなる。ということは大島選手は右肩を入れて、バットをレフト方向に対し正対させた状態でコンタクトするのが理想ということになる。この打席でのレフト前ヒットは、まさに理想的なヒットだったと言うことができるだろう。
さて、理屈はこれくらいにしておいて、大島選手には今後もレギュラー陣を脅かすような活躍を続けてもらいたいと思う。ある日西武第二球場を見学しに行った時、確か2009年のB班春季キャンプだったと思うのだが、夕方近くまで居残りして1人黙々と練習を続ける大島選手の姿が頭から離れない。入団当時高校歴代ナンバー1のホームラン数を誇って西武に入った後は、色々と悩む部分も多かったと思う。だがその時悩み苦しんだ過去があるからこそ、今それが実となっているのだと筆者は信じている。だから正直を言うと理屈云々ではなく、今はファンとしてただ純粋に大島選手には活躍をしてもらいたいと思っている。そして今季は優勝に大きく貢献して、素直に喜べる状態で秋のビールかけで弾けてもらいたいと思う。


2010年08月13日 23:06 Tweet


