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2010/08/12 楽天vs西武 15回戦(平野)


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3:26
埼玉西武
東北楽天

東北楽天vs埼玉西武15回戦(Kスタ宮城:18,340人)
埼玉西武ライオンズ 10勝5敗0分

継投:平野将光~H岡本篤志~H長田秀一郎~Sシコースキー
勝利投手:平野将光 2勝2敗 4.01
セーブ:1勝2敗28S 1.33

ホームラン:上本達之(3号2ラン)
盗塁:片岡易之(45)

【ゲームレビュー】
4連勝中のライオンズを今季初の5連勝に導き、同時に両リーグ最速の60勝をアシストしたのは、先発し素晴らしいピッチングを見せてくれた平野将光投手だった。結果的には6回を4安打2失点で投げ抜いたのだが、筆者としてはもう1イニング投げさせてあげてもよかったのでは、と試合を見ながら感じていた。88球という球数は少な過ぎるし、6回に奪われた2点も連打を浴びてのものではなかった。社会人出身の3年目右腕がいよいよ本領を発揮し始めたなぁという強い印象を受けた昨日の試合、平野投手にとっては大きな自信となる2勝目になったと思う。今後の課題を挙げるとすれば、調子が悪い日にどれだけのピッチングができるか、ということになるだろう。

この試合の平野投手の最速は151kmだった。ストレートのアベレージは恐らく147km前後だったと思うのだが、この球速表示以上にボールには切れが感じられた。指もしっかりと縫い目に掛かかり、鋭いバックスピンが生まれていた。以前筆者はこのブログで、平野投手はストレートへの強過ぎるこだわりは捨てるべきだと書いたことがあった。150km弱のストレートだけでは、先発投手としてプロでは通用しないためだ。ストレートにこだわるのであれば、まず緩急を磨くべきだろうと考えた。例えばチェンジアップやカーブだ。カーブに関しては1試合に1~2球は投げていると思うのだが、しかしカーブを投げる本来の効果が得られているかと聞かれれば、それはまだまだだろう。

平野投手の持ち球をここで整理してみるとフォーシーム(ストレート)、ツーシーム(シュート)、フォーク、スライダー、カーブということになる。筆者は平野投手が今季1勝目を挙げるまでは、彼は2ストライクになるまではスライダー投手だと思っていた。それだけ筆者の勉強不足・観察不足ということが言えるのだが、今季1勝目を挙げた試合で平野投手のフォークを見て驚いたことを今なお鮮明に覚えている。

恐らく平野投手は少なくとも3~4種類のフォークボールを投げ分けている。まず1つ目がほとんど縫い目を使わないボールのほぼ真横を挟むフォーク。2つ目は縫い目を使うフォーク、3つ目はツーシームスプリッターだ。一般的なフォークは1つ目のものだ。野茂投手や大魔神佐々木投手が投げていたストンと落ちるフォークボール。だが2つ目以降のボールが加わってくると、これはタイプ的にはオリオールズの上原投手に近くなる。上原投手と言えば、フォークボールにスライダー回転やシュート回転をかけて落とせるフォークの名手だ。平野投手は、その上原投手のようなフォークボールの使い方をしているように筆者には映った。

平野投手が意識してかしないでか、時々フォークボールにシュート回転がかかっている。いわゆるシンカーのように右打席側に沈みながら落ちるボールだ。これは恐らくツーシームスプリッターの握りで投げているのではないだろうか。ツーシームの握りから指を割り(スプリットし)、親指を人差し指側に置くことでシュート回転を掛けているのだと思う。まさにツーシームファストボールの進化系と言うことができるだろう(投げているのは平野投手だけではない)。

だがこれだけフォークボールを自在に操り、昨日に関してはストレートも走っていたと言うのに、奪三振が3というのが筆者には不満だ。しかしこれは平野投手に対しての不満ではなく、上本捕手の配球への不満だ。大石バッテリーコーチのコメントの通り、昨日のバッテリーは意志の疎通ができていなかった。平野投手はサインに首こそ振らなかったが、投げるコースに関しては上本捕手のミットからわざと違うところに投げている場面を何度か見かけた。テレビなどでは逆球と実況されていたが、しかし筆者にはこれは逆球には見えなかった。平野投手があえてそこを狙って投げているように見えたのだ。その証拠と言えるかどうかは分からないが、テレビでは逆球と言われたボールが行った時は、ほとんどのバッターが反応できていなかった。特に右バッターの内角へのボールは顕著だったと感じた。

先日の藤田太陽投手に対する配球も、この試合の平野投手への配球も、筆者としてはかなり不満が残った。この2投手に対してだけではなく、上本捕手はホームランバッターのインサイドにボールを投げさせることを好む。しかしこの配球は投手としては嫌で仕方がないはずだ。完全なボール球として内角を要求するのならまだ分かるし、それほど難しくはない。しかし上本捕手はコースギリギリのところに要求することが多い。ここに要求されてしまうと、もしボール1個分真ん中寄りに行ってしまうだけでホームランボールとなってしまう。スラッガーに対してはよほどでない限りはピッチャーに要求してはいけないボールだと筆者は考えている。

さて、話は変わって今日はもう一点触れておきたいことがある。それは浅村栄斗選手のバッティングだ。具体的には昨日の2打席目、セカンドゴロに倒れたシーンなのだが、このセカンドゴロを見て筆者は確信した。浅村選手は近い将来、首位打者を目指せるだけのバッターに成長する、と。その理由は、バットを振る際の左足のステップにある。セカンドゴロを打ったこの時のボールはカーブで、タイミングは完璧に外されていた。ピッチャーとキャッチャーの真ん中くらいにカーブが来た段階で、浅村選手のフォームは完全に崩されてしまった。このあとを予想するとすれば、腰砕けの空振りや左手一本で打つ三塁側へのファールだ。だが浅村選手はセカンドゴロを打った。これに筆者は感動してしまった。

ステップした左足なのだが、タイミングを外されたと知るや否や、浅村選手は2回ステップをしたのだ。1回目の着地でタイミングが合わないと分かると、もう一踏みして見事にタイミングを修正して見せた。腰砕けの空振りをするどころか、しっかりと肩を入れて逆方向に打った。これは見事としか言いようがない。結果的にはセカンドゴロに終わったわけだが、そこは経験の浅さだろう。もし常時1軍の試合に出ているという下地があれば、このセカンドゴロは間違いなくライト前ヒットになっていたはずだ。

2004年、中島裕之選手を1年間7番打者として起用し育て上げた時のように、浅村選手も1軍で使い続けるべきだと筆者は感じている。それはもちろん少しくらい結果が出なかったとしても使い続けるという意味だ。調子が良い時だけ試合で使っていたのでは、選手は育たない。調子が良くても悪くても使い続ければ、浅村選手は必ず素晴らしい選手に育っていくはずだ。筆者はその成長に期待し、今後も浅村選手のプレーに注目して行きたいと思う。

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2010年08月13日 13:04 


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