
2010/06/04 ヤクルトvs西武 3回戦

| 3:22 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 4 | 6 | 9 | 1 | |
| 東京ヤクルト | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 | 0 | 6 | × | 12 | 13 | 0 |
東京ヤクルトvs埼玉西武3回戦(神宮:16,158人)
埼玉西武ライオンズ 2勝1敗0分
継投:●帆足和幸~田中靖洋~大沼幸二~谷中真二~星野智樹~長田秀一郎
敗戦投手:帆足和幸 6勝4敗 2.12
ホームラン:ブラウン(12号ソロ)、中村剛也(14号満塁)
【ゲームレビュー】
やはり交流戦の後半に鬼門があるのだろうか。とても先日まで首位を走っていたチームの戦いとは思えない。交流戦14試合で2回しか勝てていなかった東京ヤクルト相手に、まさかの大敗を喫してしまった。ここまでハッキリと敗戦が増えてくると、ファンとしても「またか」と思ってしまう。だが優勝を目指すにはそれではダメだ。負けたとしても、次に希望の持てる負け方をしなければならない。そういう意味ではこの試合、9回満塁のチャンスで代打で登場し、見事なホームランを打った中村選手には、大きな希望が見えてきた。初球は内角低めへのスライダー。2球目はほぼ同じところにストレート。徹底してインコースを意識させられたあとの3球目、真ん中高めに入った甘いストレートをレフトスタンドに叩き込んだ。だが反撃するにも時すでに遅し。この満塁弾が飛び出しても、点差は6-12とダブルスコアだった。
渡辺監督は監督就任直後、決して諦めない野球を魅せると宣言していた。確かに就任1年目はそういう野球を魅せ続けてくれた。ビハインドで不利な展開であっても、いわゆる捨て試合にはしなかった。だが今夜の試合は違った。確かに最終回で10点差あるような試合ではあったが、阿部選手がフォアボール、平尾選手がヒットで繋いだあと、上本捕手に対し吉見捕手を代打で送り出した。筆者はこの采配に納得が行かなかった。
相手は左ピッチャー。上本捕手をそのまま打席に立たせれば左対左で、セオリーとしては打者が不利となる。そこで右打ちの吉見捕手を代打に送ったのだろう。もちろん敗色濃厚の試合で、経験を積ませるための1打席という意味合いもあったとは思う。だがもし渡辺監督が最後まで決して諦めない野球を目指していたのなら、代打吉見という選択肢はなかったはずだ。そして打撃コーチのこの代打策を採用することもしなかっただろう。なぜなら打席数は少ないとは言え、上本捕手は左投手相手に.667という好成績を残しているのだ。森打撃コーチの策は常にセオリーや常識内でのみ考えられているようにしか見えない。あまりにもコンサバな策ばかりが目立つ。
結果として吉見捕手がデッドボールで繋いだからよかったものの、もしダブルプレーにでもなっていたら、反撃ムードはまる起らなかったはずだ。だが逆に上本捕手をそのまま打席に立たせていたなら、例えアウトになったとしてもファンは納得が行くだろう。李投手の今夜のボールは全体的に高かった。そして上本捕手は真ん中から高めのボールには強い。しかも左投手を得意としている。これだけの分かりやすい条件が揃えば、確率から言えば吉見捕手よりも、上本捕手を打席に立たせた方が高かったはずだ。
吉見捕手に1打席でも経験させてあげたいという親心はよく理解できる。しかしごくたまにしか立たない1打席では、バッターは何も得ることができない場合がほとんどだ。本当に打者として育てたいのであれば、年間300打席以上立たせなければ、決して打者は伸びていかないだろう。
さて、吉見捕手の話題が出たついでに話しておきたいのだが、筆者には野田捕手を1軍に上げない理由がまったく分からない。2軍では捕手、一塁手、DHで試合に出場していることを見ると、怪我ではないようだ。確かに強肩と呼べる捕手ではなくなってしまったが、それでもリード面やゲームメイク能力を見れば、野田捕手は細川捕手に次ぐ実力者だと筆者は思っている。そして経験も豊富だ。他球団に行けば正捕手争いに加われるだけの能力は持っているはずだ。それでもなぜかライオンズでは1軍に上がってくることがない。一体なぜなのだろうか。
吉見捕手を今後育てて行きたいのならば、やはり2軍で多くの試合に出場させることがベストだと思う。今現在であれば2軍には工藤公康投手、西口文也投手、許銘傑投手と、1軍レベルの投手が投げている。1軍でベンチに座って勉強をしているだけよりも、2軍で試合に出続けた方が間違いなく本人のためだとも思う。
負けが込んでいるせいもあるのだろう。最近は筆者もファンとしてストレスの溜まる試合が続いている。負けることそのものは気にしない。なにせ野球というスポーツは、10試合中6回勝てれば素晴らしいチームだと言われるのだから。どんなに強いチームであっても、10試合やれば3~4回は必ず負ける。その回数が4~5回に増えても気にはしない。筆者が気になるのはその負け方だ。教科書通りの保守的な野球をやっていても、ライオンズは強くなることはないだろう。「何をしてくるか分からない」、相手チームにそう思われていたからこそ、強かった時代のライオンズは最強と謳われたのだ。
とにかく敗戦は仕方がない。だが明日以降は負けるにしても、納得の行く負け方をしてもらいたいと思う。吉見捕手や若手選手を打席に立たせたいのならば、2-12で負けている場面ではなく、12-2で勝っている場面にしてもらいたいと筆者は今夜強く感じた。


2010年06月05日 02:32 Tweet


