
2010/05/24 広島vs西武 1回戦

| 2:52 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | |
| 広島 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | × | 3 | 9 | 0 |
広島vs埼玉西武1回戦(マツダスタジアム:20,235人)
埼玉西武ライオンズ 0勝1敗0分
継投:●岸孝之~小野寺力
敗戦投手:岸孝之 7勝2敗 2.57
【ゲームレビュー】
この試合先発をしたのは広島カープを若干苦手としている岸孝之投手だった。しかし苦手にしているとは言え、6回を投げて3失点はQSを達成しており、先発投手としての役目は十分に果たしたと言える。しかしながら打線が粘り強く投げた岸投手を援護することができなかった。
広島の先発はスタルツ投手。防御率は5点台のピッチャーだ。にも関わらずライオンズは1得点も挙げることなく、あっさりと敗れてしまった。少なくとも優勝を狙うチームの負け方ではない。このような敗戦を今後も繰り返すようなことがあれば、ライオンズは今年もペナントを制することはできないだろう。
ライオンズは昨季以来、明らかに打線の繋がりを欠いている。昨季は5番打者の不在が打線を分断してしまったという見方がされているが、果たしてそれだけだろうか。少なくとも筆者はそれだけではないと考えている。打線の繋がりを欠いているとはこのブログでも何度も触れているし、多くのファンがそれを心配している。では打線の繋がりとは一体どういうことなのか?そしてどうすれば打線は繋がるのだろうか?
まず打線の繋がりについてだが、これは決して連打が出るという意味ではない。そもそも野球というスポーツは、バッターは3回に1回ヒットを打てれば一流と呼ばれるのだ。つまりバッターは70%以上の確率でアウトになる。これをシンプルに考えるならば、連打を期待する方がプロとしてはおかしいという話になる。もちろんプロである限り連打を狙わなければならないのだが、しかしプロであるならば連打を打つこと以上に、打線を繋ぐことを考えなければならない。
例えばこの試合であれば、細川捕手の打順がキーになったと言える。細川捕手はこの試合3打数0安打という結果なのだが、細川捕手がヒットを打てなかったことを責める気はまったくない。筆者は結果だけ見て批判することはしないように心掛けている。筆者がここで強く言いたいのは、アウトのなり方だ。
5回表、7番の平尾選手がライト前ヒットで出塁し、ノーアウト1塁という場面で最初の細川捕手の打席を迎えた。だが結果的にはレフトフライに倒れ、次の岸投手がバントでランナーを進めたのだが、続く片岡選手はショートゴロに倒れ、ノーアウトのランナーを活かすことができなかった。
打線の繋がりとは、一言で言うならば状況に応じたケースバッティングができるか否かということになる。ヒットやホームランを重ねて得点するのは、ある意味ではベースボールと呼ぶに相応しいだろう。だが野球はそうではなく、如何にしてランナーをホームまで還すかということに尽きるのだ。いわゆるスモールボール(=スモールベースボール)と呼ばれるものだ。2008年、日本一になった時のライオンズはホームランがよく飛び出したことから、ビッグボールと評されることが多かった。しかし実情は違う。2008年のライオンズはホームランだけではなく、徹底されたケースバッティングで少ないチャンスをしっかりと物にしていた。だからこそ前半戦は圧倒的な得点力で独走することができたのだ。
さて、この試合もう一回チャンスで細川捕手に回ってくる。7回、ノーアウト2・1塁という場面だ。ここではバントを失敗し、小フライでランナーを進めることができなかった。バントの上手い細川捕手にとっては珍しいことだ。だがこれは、5回の打席でランナーを進められなかったプレッシャーがバント失敗を生んだと言えるだろう。
もし5回、森打撃コーチが細川捕手に対し、徹底したケースバッティングを指示していたなら、7回のバント失敗は色々な意味でなかった可能性が高い。5回の細川捕手はレフトフライに終わったわけだが、この場面は絶対にフライを上げてはいけないところだ。9番は岸投手で、間違いなくバントをしてくるであろう場面、ということは何としてでもランナーを2塁に進めた状態で岸投手にバントさせなければならない。
このようなシチュエーションを考えるならば、5回の細川捕手はフリーヒッティングではなく、何が何でも右方向にゴロを打たせるべきだった。もちろんゲッツーというデメリットも出てくるのだが、しかし「ゴロGo」を徹底していれば、俊足ではない平尾選手であってもそう簡単にはゲッツーは成立しないはずだ。そしてさらに言えば、そのゴロが野手の間を抜けて外野まで転がってくれれば儲けものになる。
1軍の打撃コーチがデーブ大久保コーチから森コーチに代わって、チームで最も変わったのはケースバッティングに対する意識だと思う。森コーチに変わってからケースバッティングへの意識が薄れているように思えてならない。話は戻るが、ケースバッティングの徹底こそが打線の繋がりを生むのだ。言い方を変えれば、ケースバッティングなくして打線の繋がりは生まれない。
例えば5回の細川捕手の打席、内角ギリギリのボールを見逃して三振に倒れたならば、それは責めるべき凡退ではないと言えた。内角に手を出せなかったということは、状況を考えたならば外角のボールを右方向に打ち返す意識が強かったからだと言えるためだ。見逃し三振は何も生み出さないが、しかし意図あっての見逃し三振なのであれば、筆者は責めるべきではないと考えている。この試合で責めるべきは、やはり5回の細川捕手にケースバッティングを徹底させなかった打撃コーチのミスだろう。監督は選手を信頼しなければ起用には踏み切れない。しかしコーチは度を越して選手を信用してはならない。徹底すべきところは、選手が耳を覆いたくなるほど繰り返して徹底すべきだと思う。そしてその徹底が、好きのない野球を生み出すのだと思う。


2010年06月18日 01:29 Tweet


