
2010/04/21 ソフトバンクvs西武 5回戦

| 3:35 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 8 | 1 | |
| ソフトバンク | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | × | 7 | 12 | 0 |
福岡ソフトバンクvs埼玉西武5回戦(北九州:16,746人)
埼玉西武ライオンズ 3勝2敗0分
継投:●石井一久~長田秀一郎~星野智樹~岡本洋介
敗戦投手:石井一久 2勝1敗 3.60
盗塁:栗山巧(4)
【ハイライト】
【ゲームレビュー】
不安な天気の中プレーボールされた北九州でのホークス戦、先発したのは石井一久投手だった。最終的には6回を初回の2失点のみで切り抜け、ベテランらしくしっかりと試合を組み立ててくれた。投球内容としては、パーフェクトと言ってもいい出来だった。初回にホームランを打たれ2失点はしたものの、これは決して失投ではない。インロウに決まる良いボールで、これは打った松田選手を褒めるべきだろう。
さて、このところ気になるのは1番片岡易之選手の不調だ。1番バッターの打率がここまで低くなってしまうと、チームの得点力も低下しかねない。片岡選手の能力から言えばもうとっくに3割を打っていても良いバッターなのだが、しかし2年目2006年の.292がキャリアハイ。そして今季この試合までの打率はと言えば、.269ととても1番バッターの数字とは思えない。
筆者が片岡選手を見ていて感じるのは、自分のタイミングでしかボールを待っていないという点だ。分かりやすく言うと、自分のタイミングでボールが来てくれた時はヒットを打てるのだが、自分のタイミングからボールが外れてしまうとヒットを打てなくなってしまう。これではいくら俊足の片岡選手といえど、打率が伸びてくることはないだろう。
片岡選手は去年からずっとバッティングフォームの改造に取り組んでいるのだが、それがまだ結果に結びついていない。去年はシーズン中に何度もフォームを変えているし、今季も4月の早い段階からアディダスのバットからミズノのバットに持ち替えている。片岡選手の中から迷いが未だ消えることがないのだろう。
野球というスポーツはピッチャーがボールを投げなければ何も始まらない。つまりはピッチャー主導のスポーツなのだ。そうでなければ10回対戦して、バッターが3本しかヒットを打てないなんてことはないだろう。ピッチャー主導のスポーツだからこそ、バッターは10回中3回ヒットを打てれば一流と評される。
10回中で3本のヒットを打てるバッターと、2本のヒットしか打てないバッターの大きな違いはタイミングの合わせ方にあると筆者は考えている。ピッチャーのタイミングでバッティングが出来るバッターは3割を打つことができる。しかし自分のタイミングでしか打てないバッターは、調子が良い時期でしか3割を打つことはできない。片岡選手の場合は後者に入る。
片岡選手は左足でタイミングを計っているのだが、そのタイミングがなかなかピッチャーのタイミングに合って行かない。逆を言えば、ピッチャーからすると片岡選手のタイミングを外すことは難しくはないはずだ。コースを間違わずに緩急を使えれば、片岡選手を相手にして大怪我をする危険性はほとんどないだろう。
そして片岡選手の場合はヒットゾーンがあまりにも狭いということも致命傷となっている。片岡選手のヒットゾーンはストライクゾーンを縦に3分割した時、その真ん中にしかないのだ。つまりストライクゾーンであっても、インコース・アウトコースはほとんど打てていない。特にインハイ・インロウは1割台前半だ。
片岡選手は今季からポイントを後ろにずらしている。ポイントを後ろにずらすとは、ボールをピッチャー寄りではなく、よりキャッチャーに近い方まで呼び寄せて打つということ。これはイチロー選手が得意とする打ち方なのだが、ポイントを後ろにずらすことでわざと打球を詰まらせ、バットにボールを乗せて運んでいくという打ち方となる。打つというよりは、まさに運ぶという表現がピッタリの打法だ。だが片岡選手の場合、この打法がまだ身体に馴染んでいないのだろう。
筆者が見ている限りこの打ち方に関して思うことは、片岡選手は打つボールを間違えているということだ。間違えていると言うと聞こえが悪く、少々おこがましいのだが、もし筆者が片岡選手と同じ打法で打つとすれば、ストレートを待つことはしないだろう。変化球に合わせながら、ストレートにも対応して行くという考え方にシフトすると思う。と言うのは、ストレートという球種は速ければ速いほど点でしか捕えられなくなる。つまり詰まらせて打とうとするとボールはバットの細い部分をこするだけになってしまい(バットの太さの幅しか使えない)、ポップフライになりやすくなる。
逆に変化球の場合ならボールを線で捕えられるようになるため、バットの「太さの幅」だけではなく、バットの「長さの幅」も使えるようになるわけだ。そうすることによって初めて片岡選手が今取り組んでいる打法が活きてくる。日本人選手のほぼ100%に近い選手たちは、基本はストレートを待って変化球にも対応するという考え方だと思う。だがイチロー選手はまったく逆だ。変化球に合わせながらストレートにも対応して行くというスタンス。だからこそボールをバットに乗せて「運べる」のだ。
もし去年に続き今年も不調が続くようであれば、さすがの渡辺監督も打順を組み替える必要に迫られるだろう。だがそれはライオンズというチームにとってはベストではない。ベストは当然、片岡選手が3割前後の打率、4割前後の出塁率をマークすることだ。そうすればチームの得点力はもっと向上するはずだし、片岡選手自身の盗塁数ももっと増えてくるはずだ。チームが波に乗るためにも先頭打者の勢いは欠かせない。だからこそ片岡選手には一日でも早く覚醒してもらい、チームの勝利に貢献してもらいたいと思う。


2010年04月26日 20:12 Tweet


