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2010/04/08 西武vsオリックス 3回戦


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3:40 10
オリックス 10
埼玉西武 11

埼玉西武vsオリックス3回戦(西武ドーム:9,256人)
埼玉西武ライオンズ 2勝1敗0分

継投:西口文也~長田秀一郎~H藤田太陽~H星野智樹~●シコースキー
敗戦投手:シコースキー 2敗4S 2.84

盗塁:片岡易之(5)

【ハイライト】


上本達之選手のファインプレー】


【ゲームレビュー】
4月3日で1周年を迎えた日刊埼玉西武ライオンズ。これを思い出した時点での本音は、西口文也投手の好投で飾りたいというものだった。しかし今シーズン2度目の先発登板でも、西口投手は良い結果を残すことはできなかった。

この試合の結果だけを見ると、3回まではほぼ完璧なピッチングだったように見える。現に3回までは1被安打3奪三振と、まったく危なげなく抑えていた。だが内容的には決して良いピッチングではなかった。これは西口投手自身一番分かっていると思うが、3回までの好投は細川捕手の好リードが生んだものだった。スライダー、フォーク、シュートを巧く使い、見事なまでにバッターのタイミングを狂わせて行った。だが捕手のリードだけで抑えられるのは、打者一巡するまでだった。一巡したあとはホームランの2連発を含め、4被安打1四球で4失点。

数字だけに目をやってしまうと、4回に急に崩れたようにも見える。だが3回までと4・5回での西口投手はそれほど大きな変化はなかった。実は初回の段階から、ボールがすべて1個分高めに行っていたのだ。そして完全に力んだ状態で投げていた。

特に初回の力みが一番強かった。スライダーを何球か投げたあとに少しずつ力が抜けてきたように見えたが、それまでは完全に上体の力でボールを投げてしまっていた。スライダーやカーブといった横の変化球は、力を抜かなければきれいには曲がってくれない。そういうこともありプロでも多くのピッチャーが試合前のブルペンで、ストレートよりも先にスライダーを投げて肩を温めている。スライダーを投げることで上手く力を抜き、そのあとでストレートに入っていく。この試合の西口投手も初回、スライダーを微調整していくことでストレートが安定していった。だが高めに行っていたコントロールに関しては、最後まで修正することはできなかった。

筆者はこの試合の西口投手の軸足(右足)に注目をした。軸足の動きにボールが高めに行く原因を探ることができたのだ。あくまでも映像で見た範囲の考察であるため、どれだけ正確かは分からない。しかし筆者が見た印象では、前脚を振り上げステップをし、着地した直後の右足が、三塁方向にしか動いていないように見えた。この動きは、ピッチャーズプレートに置いた軸足が腰(骨盤)に引っ張られ、スパイクが裏返って引きずられる時の動きのことだ。この試合の西口投手の動きは、スパイクが三塁方向にのみ引きずられているように見えた。

良い時の西口投手は、まず本塁方向に真っ直ぐスパイクが引きずられ、そのあとで三塁方向に引きずられる。マウンド上のスパイク跡を見ることができれば、恐らくシュートボールのような軌跡でスパイクが引きずられているはずだ。この動きが何を意味しているかと言うと、上半身と下半身をどれだけバランスよく使えているかということになる。

ピッチングの動作には大きく分けて下半身の動き(並進運動)と上半身の動き(回転運動)がある。並進運動とは重心を軸脚股関節から前脚股関節に移動させることでエネルギーを生み出す運動のこと。よく「腕を振って投げろ!」と言われることがあるが、実は野球を科学的に見ていくと、いくら一生懸命腕を振ったとしても、並進運動という下半身の動きがしっかり起きていないと、ボールに力は生まれない。この試合の西口投手は、まさにその状態だった。

そして話をスパイク跡に戻すと、引きずられたスパイク跡が本塁方向に向いている部分は、並進運動をした証だ。並進運動があるからこそ、スパイク跡が真っ直ぐ本塁方向へと向いていく。そしてその跡が三塁側に曲がったところからは、回転運動の部分となる。回転運動とは、体幹(脊柱軸)をしっかり回旋させる運動のことだ。ちなみにスピードボールは腕を振ることだけを考えても投げられない。むしろ腕よりも、体幹をしっかり回旋させることを考えた方がスピードやボールの切れはアップする(腰を回すという意味ではない)。

西口投手の場合スパイクを引きずった軌跡が、すぐに三塁方向に行ってしまっているように筆者には見えた。これはつまり、並進エネルギー(下半身で生む力)を得られていない状態で、回転エネルギーだけに頼ってボールを投げていることを意味する。つまり、上体だけでボールを投げてしまっているということだ。西口投手の全盛期や、2005年のスパイクを見てもらうと、恐らく今とはまるで違うはずだ。右足のスパイクにはもっと泥が付いているはずだ。右足スパイクのP革が土まみれになっているということは、下半身が程よく沈み、しっかりと下半身主導でボールを投げられているということを意味する(沈み過ぎは逆に良くないが)。

今年の西口投手を見ていると、ボールが左打席側に外れることが多い。実はこれも、近年の西口投手の不調の原因となっている。下半身主導ではなく、上半身主導でボールを投げてしまっているため、ステップがややアウト気味になっている(身体の開きが早い)。全盛期の西口投手は完全にクロスステップだった。だからこそボールの出所がバッターから見えづらくなり、外へ逃げるスライダーをより遠くに感じさせることができた。そしてそのボールには普通にキャッチボールをする渡辺監督も「恐い」と感じるほどの切れがあった。ちなみに全盛期によく内転筋を痛めていたのは、このクロスステップが唯一の原因だ。

こうして西口投手を見ていくと、ひょっとしたら下半身に、年齢による衰えが顕著に表れているのかもしれない。周りから見るだけではなかなか分からない部分ではあるが、西口投手本人は、その衰えを痛いほど実感しているのかもしれない。

もしかしたらこのまま1軍で使い続けるよりは、1度2軍に行って工藤公康投手の下半身の使い方を見て盗んだ方が良いのかもしれない。工藤投手の下半身の使い方は非常に自然で、並進運動もスムーズに行われている。その工藤投手の下半身の使い方を少しでも盗むことができれば、ほんの僅かな切っ掛けにより西口投手は完全復活を果たせるかもしれない。西口投手はこのままの状態で終わるわけにはいかない投手だ。なんとか完全復活を果たし、チームが苦しくなった時に豊富な経験でチームを救ってもらいたい。そしてもし可能ならば、恩師である東尾修元監督の技術指導を受けたらいいと思う。ライオンズが優勝を目指すためには、ベテランの力が必ず必要になってくるはずだ。そしてそんな時にこそ、筆者は西口投手に大きな期待をしたいと思っている。

【4月9日の予告先発投手:涌井秀章投手

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2010年04月09日 06:12 


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