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G.G.佐藤選手がスタートダッシュの起爆剤


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今季は6番に座ることが濃厚となっているG.G.佐藤選手だが、キャンプ中にはライトからレフトへのコンバートが提案された。G.G.佐藤選手は決して守備の悪い選手ではない。本人も「打って走って守れなければ野球選手じゃない」と言うほど守備・走塁に関してはこだわりを持っている。現に2007年は1.000という守備率を記録している。これはつまり1年間で、1つもエラーをしなかったという記録だ。

だがG.G.佐藤選手には常に膝・足首への不安が付きまとっている。昨年に関してはジャンパー膝を患い、本人もかなり苦しんでいた。そして下半身への不安が守備へも影響し出したのが昨季だった。俊足選手ではなく、普通の走力さえあれば追いつけていた打球に追いつけないシーンが、ごくたまにだが目に付いた。そういうこともあり、渡辺監督がレフトへのコンバートを考え始めたのだろう。

正直なところ筆者は、和田一浩選手が抜けた後はG.G.佐藤選手がレフトを守るものだと思っていた。だが渡辺監督は2008年、ライトにG.G.佐藤選手を置いた。これはもちろんG.G.佐藤選手の鉄砲肩を買ってのポジショニングだったとは思う。アマチュア野球の場合は、イチロー選手が出現するより前の一昔前には「ライパチ」という言葉があり、一番打てなくて一番守れない人がライトに就き8番を打たされていた。だがプロ野球においてのライトというポジションは非常に重要だ。なぜならライトがもたついてしまえば、簡単に3ベースヒットを与えてしまうからだ。

G.G.佐藤選手の走力を考えても、やはり彼にはレフトというポジションが相応しいと思う。守備範囲に関してもライトよりは狭いし、3塁までの距離が短い分ワンプレーを焦らずにこなすことができる。守備の負担が減れば、G.G.佐藤選手は恐らくもっと打てるようになるだろう。G.G.佐藤選手のような繊細な性格を持ち合わせる選手は、1つの不安が全プレーに影響してしまうことがある。だからこそ走るという意味での守備の不安を減らせるレフトへのコンバートは、G.G.佐藤選手にとっては確実にプラスになると筆者は感じている。

バッティングに関しては、昨季の8~9月の気持ちを保つことができれば問題はないだろう。それはつまり「監督は今、自分に何を求めているだろうか?」と自問しながら打席に立てるか否かということだ。G.G.佐藤選手は今さら言うべきもなくライオンズが誇るスラッガーだ。彼のホームランを期待しているファンは非常に多い。だが野球においては、ホームランを狙ってはいけない場面もあるのだ。

例えば9回裏、1点差で負けている攻撃。2アウトでランナーは3塁。こういう場面、もちろん逆転サヨナラホームランが出ればそれは理想的だ。だがサヨナラホームランどころか、ホームラン自体がそれほど飛び出るものではない。こういう場面で監督が選手に求めるのはサヨナラホームランではなく、3塁ランナーを確実に還して同点・延長戦へともつれ込ませるワンヒットだ。クリーンヒットじゃなくてもいい。三遊間にボテボテに転がる内野安打だっていいのだ。それでも3塁ランナーを生還させられれば、バッターはヒーローになれる。

昨季の前半では、G.G.佐藤選手はこのようなケースバッティングがまったくできていなかった。だが8~9月になると、まるで全盛期の清原和博選手のようなチームバッティングをするようになり、その変貌に乗じて成績も一気に向上していった。そして9月は帆足投手と並び月間MVPを獲得した。

さて、ここでG.G.佐藤選手のデータについて少しご紹介しておきたいと思う。データ的に見た時のG.G.佐藤選手は完全なハイボールヒッターだ。ホームラン25本中、11本が高目を叩いての一発だった。だがこれは膝の影響もあっただろう。高めであれば低目とは違い、膝を沈み込ませてバットを振る必要がない。そのため膝に負担が行かず、軸をスムーズに回旋させることができる。

このようなデータは当然他球団も持っている。ということは今季のG.G.佐藤選手は、高めで勝負してもらえることはほとんどなくなり、ピッチャーは他のバッターの時以上に低目を意識して投げてくるだろう。トータルの打率が.291に対し、真ん中から高めのボールに対しては.337とよく打ち、一方低めのボールを打った時の打率は.192にまで落ち込む。しかも2ストライク後に低目のボールを投げられると、G.G.佐藤選手は51%の確率で三振をしている。バッテリーからすれば、このデータを利用しない手はない。

こうして考えて行くと、今季G.G.佐藤選手が3割30本を達成するためには低目への対応が求められることになる。特に調子が落ちるとドアスウィングになりやすく、アウトローに逃げるスライダーに対してはまったく合わせられなくなってしまう。さらに言えばG.G.佐藤選手は軸足に体重を残して打つタイプのため、曲がりの大きいアウトローへのスライダーには今年も苦労するだろう。と言うのは軸足に体重を残してバットを振ると、ホームベースの一塁方向の前角に来るボールにバットが届きにくくなる。つまりこの角をかすって外角に逃げるスライダーを投げられた時は、G.G.佐藤選手はお手上げという状態になってしまう。

昨季のようなスランプに陥らないためにも、まずは膝をベストの状態にまで近づけて開幕を迎えてもらいたい。元々春先には強いG.G.佐藤選手だ。膝の状態さえ悪くなければ、必ずやライオンズのスタートダッシュの起爆剤となってくれるに違いない。

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2010年03月09日 07:38 


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