
菊池雄星投手に対し、過熱気味のマスコミ

連日その過熱度を増していく菊池雄星投手の報道。これには日本ハムのダルビッシュ投手も同情しているほどだ。そしてファンとしても、ちょっと過熱し過ぎではという印象を持っている。いくら凄いボールを投げるとは言え、中身はまだ普通の高校生に過ぎない。マスコミにはその辺も考慮した上で、雄星投手の取材を行って欲しいと思う。
雄星投手がドラフトで指名されてからまだ3ヵ月も経っていない。だがこの3ヵ月の間にもさまざまなニュースがファンの元へは飛び込んできた。例えば雄星投手をインタビューした女子アナの服装が、18歳の野球選手をインタビューするに相応しくないセクシーなものだった、などというニュースもあった。
確かに雄星投手は素晴らしい資質を持った投手だと思う。それは誰もが認めるところだ。しかしプロとしてはまだ1球も投げていないのだ。
雄星投手は自覚はしていないそうだが、性格的にはかなり天然気質な性格なようだ。それでも連日のマスコミの張り付きようには多少のストレスは感じていると思う。現に昨年の夏も、マスコミの無神経な取材活動に大きなストレスを与えられ、調子を崩した時期もあった。
ピッチャーという人種は、とにかく神経質な人が多い。ほんの僅かな切っ掛けで一気に調子を落としてしまうこともあるし、ストレスによってマウンドで平常心を保てないこともある。筆者は昔から感じていることなのだが、野球を取材するマスコミは、もう少し野球というものを理解すべきだと思う。それはルールという意味ではなく、野球選手という生き物に対する理解だ。
例えばマリナーズのイチロー選手は、基本的には取材は好きではない選手だ。彼は常にマイペースをキープし、平常心を保ち続ける努力をしている。イチロー選手が日本で初めて200本安打を達成した試合後、マスコミはイチロー選手のインタビューを取ろうと長時間待っていた。マスコミとしては、喜びを伝えるためにイチロー選手がすぐに出てくると考えたのだろう。しかしイチロー選手はなかなかロッカールームから出てこない。この時イチロー選手は、200安打目のヒットのことよりも、残りの凡打した打席の反省をミラールームでバットを振りながら行っていた。
これほどまでに自分のペースを乱さず、マスコミを決して最優先にしないイチロー選手でも、信頼の置けるインタビュアーに対しては本当に長時間を割いて応えている。義田貴士氏や、小松成美氏などはその好例だろう。なぜイチロー選手が彼らには長時間を割くのか?それは彼らが野球に対し、そしてイチロー選手に対し最大限の敬意を払っているからだ。イチロー選手にとっては恐らく、野球に対し敬意を払ってくれることが信頼すべき一番のポイントなのではないだろうか。
果たして野球を取材するマスコミ関係者の中で、一体何人の人が球場を出入りする際、グラウンドに対し一例をしているだろうか?もちろんこの行動がすべてというわけではないが、少なくとも野球に携わる仕事をしている限り、野球そのものや選手に対し、最大限の敬意を払わなければならない。マスコミがしっかりと敬意を払ってくれるようになれば、選手だって喜んで取材に応じてくれるはずだ。
新聞が売れない時代、テレビが観られていない時代ということは筆者も分かっている。だがそれは時代の責任ではない。ごく一部のマスコミ関係者にモラルがないためだ。女子アナにしろ、カメラマンにしろ、ジャーナリストにしろ、しっかりとしたモラルを持ち、取材対象に敬意を持って接すれば、真実を今以上に的確に伝えられるはずだ。そうすれば新聞の販売部数も視聴率も今ほど落ち込むことはないのではないだろうか。
確かにファンは菊池雄星投手の動向を詳しく知りたい。しかしだからと言って、雄星投手のプライベートを奪うような報道をしてはならない。ファンにとって一番大事なのは雄星投手のプライベートを犠牲にすることではなく、雄星投手がマウンドで活躍することのはずだ。プライベートのことは、球団のファンブックや球団広報などに任せれば良いと思う。もしくは野球に余裕が出てきたなら、本人がブログを始めればいいことだ。
雄星投手は新しいパソコンを買って野球日記を続けているようだし、切っ掛けがあれば工藤投手らを参考にしてブログを始めてくれることもあるかもしれない。ファンならば、それを期待すれば良いと思う。
とにかく雄星投手はまだまだ18歳で、都会にすら馴染んでいないような子なのだ。本人のコメントに寄ればガールフレンドがいたこともないと言う。これだけピュアな選手なのだから、マスコミは余計にストレスを与えるような取材は避けなければならない。雄星投手を都会に染めようとする存在は、涌井投手1人で十分だと思う。


2010年01月19日 16:28 Tweet


