
工藤公康投手、今オフはリリーバーとして本格調整

ここまでの野球人生、ほぼ先発一筋で投げ続けて来た工藤公康投手が、今オフは初めてリリーバーとして調整していくようだ。黄金時代を知るファンにとっては、工藤投手には先発マウンドに登って欲しいのが本音ではあるが、しかし工藤投手は来季47歳になる。この年齢で先発として試合を作るのは体力的に本当に難しいのだろう。
ファンよりもむしろ、工藤投手本人の方が切り替えが早かった。今季横浜での登板でもそうだったが、中継ぎというポジションを意外にもあっさりと受け入れた。先発としてのプライドを持つピッチャーにとっては、決して簡単な切り替えではなかったと思う。しかし工藤投手はそんなプライドよりも、野球を続けられる道を最優先にした。
工藤投手も語っている通り、先発と中継ぎでは調整方法がまるで違う。陸上で言えば先発がマラソンなら、中継ぎはスプリント競技というイメージだろう。先発は1週間に1度しか登板機会はないが、中継ぎになると2連投3連投も覚悟しなければならない。そうなってくると、筋肉の種類も使い方によってアジャストする必要がある。
まず先発投手の1週間を簡単に列挙してみようと思う(中6日の場合)
1日目:先発登板
2日目:キャッチボールやジョギングでクールダウン
3日目:オフ
4~5日目:練習・トレーニング
6日目:ブルペン
7日目:登板前日、軽めの調整
この流れが現代野球における先発ピッチャーの主流だと思う。
ブルペンは前日ではなく、基本的には2日前に入る。そうすることで登板日にほとんど疲れを残すことなく、それでいて肩に僅かな張りを残すことが出来る。ピッチャーは肩が軽過ぎてはいけない。僅かに張りがある程度が、最もベストパフォーマンスを引き出せる。
先発であれば上記のように長いスパンで調整をして行くため、必要なのはスタミナとなる。1週間おきに長いイニングを投げ、5~6日を回復に費やせる。しかしリリーバーの場合はこうは行かない。1週間に6試合あれば、そのうちの2~3試合に登板することは日常茶飯事だ。この場合に必要なのはスタミナよりも、短い時間内でベストパフォーマンスをするための瞬発系筋肉(スプリント系)だ。工藤投手は今オフ、その瞬発系筋力を身につけようとしている。
工藤投手は身体のメンテナンスに関しては球界随一と言えるほどに気を遣っている。以前は個人トレーナーと契約し、登板後はすぐにマッサージで筋肉をほぐしてもらっていたほどだ。ただこれに関しては去年だったろうか、夫人に「マッサージし過ぎるから成績が悪い」と言われ、契約解除をしている。
先発から中継ぎに転向するのは本当に難しい。身体だけではなく、気持ちの持って行き方もまるで違う。だがそれでも工藤投手は今季、横浜で46試合中45試合でリリーフ登板をこなした。急な転向だったにも関わらず、不慣れなポジションでよく投げ抜いたと思う。成績自体は決して良くはなかったが、転向1年目としては及第点だったのではと思う。
ただ来季の工藤投手は、最初からリリーバーとしてシーズンを迎えることになる。恐らく星野投手や小野寺投手らからリリーフの心得もしっかり聞き込んで来るはずだ。本物のリリーバーとしてシーズンを迎える来季、工藤投手がどんなピッチングを魅せてくれるのか、筆者は本当に楽しみで仕方がない。
3月20日は恐らく涌井投手が先発のため、リリーバーの出番はないだろう。だが21日以降は、叶うならぜひ工藤投手の復帰後初マウンドを西武ドームで観てみたい。


2009年12月07日 17:14 Tweet


