
星野智樹投手の年俸10%減は成?否?

星野智樹投手の契約更改が行われた。しかし提示された金額は今季6000万円から10%減俸された額だった。もちろん星野投手は保留だ。そしてこの保留は正しいと思う。いくらチームは4位に終わったとは言え、星野投手の減俸はやりすぎだと思う。
今季の星野投手は62試合に投げて1勝1敗1S。防御率は4.07だった。数字的に言うと決してベストではない。だが62試合というのは評価すべき登板数だ。これはだいたい2~3試合に1回は必ず登板しているという数字で、いくら短いイニングしか投げないリリーバーとは言え、楽にこなせる数字ではない。
もちろん62試合の中には決定打を打たれてしまった試合も何試合かはある。しかしそれ以上に危機を乗り切ってくれた登板も多いのだ。防御率こそ4.07と悪いが、リリーバーの場合1点取られただけで防御率は跳ね上がってしまう。
だがここではこう考えてもらいたい。もし星野投手以外のリリーバーが安定していて、星野投手の登板数が50試合前後まで減っていたら、と。もしそうだったなら星野投手にも体力的な余裕が生まれ、1試合ごとの結果はもっと向上していたはずだ。星野投手も今年は32歳という年齢になり、決してもう若い部類ではない。それでも62試合投げてくれたということを、球団はもっと評価してあげなければいけない。
勝利、セーブがなかなか付かないセットアッパーは、年俸査定が上がりにくいのは確かだ。だからこそ貴重な左腕を失わないように、球団は適切な評価をしてあげなければならない。そうしなければ、誰もセットアッパーをやりたがらなくなる。
今季、もしブルペンに星野投手がいなければ、ライオンズはもっと悲惨な状況になっていたはずだ。だが星野投手が1年間投げてくれたおかげで、最悪までは行かずに済んだ。球団はもちろん1年間の査定ポイントを精査して年俸を決めているのだと思うが、上げるにしても下げるにしても、必要な選手のモチベーションを下げるような査定はしてはいけないと思う。
球団経営という面から見ると、年俸削減は永遠のテーマだ。経営黒字化を目指すのに一番手っ取り早い削減対象が年俸なのだから。しかしこれは球団経営側の怠慢的考え方とは言えないだろうか?先日、筆者と一緒に野球をやっている大の西武ファンとも話していたのだが、西武ドーム内に掲載されている広告の数があまりにも少ない。テレビ放送がないとは言え、あまりにも少な過ぎる。
筆者は西武ドームに掲載されている広告の正確な金額は知らない。しかし1年間西武ドームに掲載することを考えると、場所によっては数百万円~数千万円という額になるのではないだろうか?もし外野フェンスにもっと広告があったなら?もし場内外にもっと広告があったなら?外野フェンスが広告で一杯になるだけでも、億に近い広告収入が得られるはずだ。
選手は、選手として少しでも長くプレーできるようにそれこそ死に物狂いで練習に励んでいる。埼玉西武ライオンズがが三位一体を本気で目指していくのなら、球団職員も選手の頑張りを見習わなければいけない。それこそ死に物狂いで広告契約を取ってくるくらいの気持ちが欲しい。それをしっかり選手たちに伝えることが出来れば、選手だって減俸に対してそれほど嫌な思いはしないはずだ。
球団経営は非常に難しい。それなりにスポーツチームの運営に関する知識のある筆者が考えてみても、なかなか経営を健常化させられる名案は思いつかない。しいて言えばコミッショナーの権限をもっと強めることと、メジャーリーグで採用されているいわゆる贅沢税、もしくはNHLなどで採用されるサラリーキャップの導入だ。
選手からすると、選手だけが減俸の対象になるのが納得行かないポイントだと思う。だが仮に全体に対しサラリーキャップが採用され、営業成績が良くなかった球団職員の年収も下がるとなると、選手はどう考えるだろうか?きっとこう考えるはずだ。「自分たちが良いプレーをして優勝すれば、営業さんももっと楽になるはず」と。
プロ野球球団には、まだまだこのような連帯感が薄い。こういう点においてはもっと独立リーグを見習っても良い気はする。
とにかく筆者が強く思ったのは、星野投手の年俸は最低でも現状維持にするべきだと言うこと。さすがに星野投手のレベルになればありえないとは思うが、頑張ったのに年俸が下がったことでモチベーションが下がってしまう選手だっている。そうなれば翌年の活躍は期待できない。そうならないためにも、減俸に対して球団はもっとデリケートに接していかなければならない。
球団職員とは違い、選手は定年の60歳まで現役でいるのは不可能だ。引退後に指導者になれる選手も数えるほど。多くの選手は30歳を迎えずに戦力外通告をされ、球界を去らなければならない。球団は、そういうことまで考えて選手に接していって欲しい。そうすれば間違いなく選手側だって歩み寄ってくれるはずだ。「年俸を下げもらってもいい」と直訴する選手だって現れるかもしれない。
来季優勝するためには、選手だけではなく球団職員ももっと頑張らなければならない。ただ一昔前の職員と比べると、太田秀和代表以降は本当に頑張ってくれていると思う。ファンにもそれは伝わってくる。しかしローマは1日にして成らず、だ。これから先10年20年選手と共に頑張り続けて、初めて実を結ぶことも多い。そしてその頃星野投手はピッチングコーチとしてまだユニフォームを着ているかもしれない。
そういう未来になった時埼玉西武ライオンズには、星野コーチが若手に対して「うちの球団なら安心して契約更改に臨めるぞ」と言えるチームになっていてもらいたい。


2009年12月05日 17:14 Tweet


