
G.G.佐藤選手の契約更改は越年必死

ライオンズで唯一代理人交渉を行っているG.G.佐藤選手だが、3年連続越年更改は避けられないようだ。現在も交渉担当とG.G.佐藤選手の代理人とで下交渉が続けられているようだが、未だ合意には至っていない。攻防ラインは今季の倍増となる1億2000~3000万円前後となりそうだが、この金額が果たして妥当かどうかは筆者には分からない。
筆者はG.G.佐藤選手のことを強く応援している。ストイックで、非常に優れたアスリートの1人だ。だが、こと契約更改になると話は別だ。久しぶりにG.G.佐藤選手の記事を書いているのに、こういう話題なのが残念なのだが、G.G.佐藤選手の契約更改に対する姿勢にはどうしても好感を持てない。
G.G.佐藤選手は法大卒業後は単身アメリカに渡り、フィラデルフィア・フィリーズなどの1Aでプレーしていた。一応はプロとは言え、1Aでもらえる月収は本当に微々たる物。日本円に換算すれば月10万円もらえない選手もいるほどで、これは日本の独立リーグよりも厳しい給与条件だ。G.G.佐藤選手が金銭に強いこだわりを持っているのは、こういう環境を体験してきたからに他ならない。
これがメジャーリーガーともなれば、数億円の年俸以外にもミールマネーというものをもらうことができる。これは遠征先などで食事をする際、1日50~100ドルくらいの食費が支給されるのだ。だがマイナーリーガーはミールマネーすらもらえないのが実情。多くのマイナーリーガーは野球以外の副業を持っていることが多い。そしてG.G.佐藤選手もアルバイトをしながらマイナーリーグでプレーをしていた選手なのだ。
多くのメジャーリーガーはこのような厳しい環境の中を勝ち抜いて、数億円の年俸をもらえるまでになっている。つまりハングリー精神が日本人とは桁違いに強いのだ。もしG.G.佐藤選手がアメリカでプレーしているのなら、彼の金銭への執着は正しいと言える。だが彼が今プレーしているのは日本だ。
まず日本という国、そして(ベースボールではなく)野球というスポーツは礼を尽くす国であり競技だ。野球選手はグラウンドに入る前、必ずグラウンドに対し脱帽し、一礼してから入っていく。このような「国」で「野球」をやっている限り、G.G.佐藤選手の姿勢は決して高い評価はされないだろう。
筆者の個人的意見を言わせてもらえれば、代理人同席交渉ならまだ許容範囲だ。しかし代理人にすべてを任せてしまうのは、礼を重んじる日本のプロ野球においては少なくとも好感を持てる交渉とは言えない。
ライオンズというチームは昔から「3年やって1人前」という風習がある。3年間しっかり活躍することで初めて年俸が大幅に上がるシステムをとっている。となるとG.G.佐藤選手の場合、今季が実質その3年目だった。3年連続20本塁打は決して簡単な数字ではない。とは言え数字だけを見ていくと、1億3000万円という金額に見合うとは感じられない。
まず今季だが、打順は6番に降格し、怪我の影響で守備機会も大幅に減った。今季は25本塁打したが、5番で打つ25本と6番で打つ25本では大きな差がある。5番と6番とでは、数字以上にプレッシャーに差が出てくるし、相手チームからのマークも大きく変わってくる。だからもし5番打者として25本塁打打っていたのなら、筆者なら1億円以上の年俸に見合っていると感じただろう。
続いて85打点という数字。これだけを見ると確かに立派で、素晴らしい数字だ。だが筆者は今年のG.G.佐藤選手の85打点も、25本塁打同様それほど高い評価はしていない。打点に関しては月間MVPを獲った時期の活躍は素晴らしかったが、8月までの活躍は決して目覚しいとは言えなかった。
その最たる要因は得点圏打率の低さだ。打率.290に対し、得点圏打率は.262と低い。ただ状況によっては打っていることもある。例えば満塁での打率は.385で、3塁・2塁では.364とよく打っている。
それでも筆者がなぜ今年のG.G.佐藤選手の数字をここまで低く評価しているのか?その理由はたった1つだ。筆者は、G.G.佐藤選手のことをホームランバッターだと思っている。これが唯一の理由だ。
G.G.佐藤選手は今季25本塁打を放っている。だがこの内チャンスで打ったホームランの数は、0なのだ。チャンスでは1本もホームランを打っていないのだ。25本中18本はランナーなし、7本が1塁だけにランナーがいる場面。もし25本中5本がチャンスで打ったホームランだったなら、筆者は大いに評価していたと思う。だがG.G.佐藤選手にかける期待が大きい分、筆者は今季の数字にはまったく不満でならないわけだ。
また昨季傷めた足首や、今季起こしたジャンパー膝をG.G.佐藤選手は再び公傷だと主張してくるだろう。だがそれは断じて違う。この2つの故障は完全にG.G.佐藤選手の責任だ。G.G.佐藤選手自身、これだけ体を大きくした時点でこれらの故障発生は予測できたはずだ。G.G.佐藤選手の体重は100kgほどだが、そうなると膝に掛かる重さは70kgくらいになるはず。足首ともなると90kgほどの負荷が常に掛かっている状態だ。これでは故障しない方が不思議というもの。
G.G.佐藤選手は数年前「守れない選手は野球選手じゃない」という趣旨の言葉を残している。つまり打つだけではなく、打って走って守って投げることトータルにこだわりを持っている。だからこそ筆者はG.G.佐藤選手を応援するようになったのだ。しかし今季のG.G.佐藤選手は故障により走れず守れずで終わってしまった。
(※G.G.佐藤選手は体が硬く、それも故障の大きな要員となっている。同じ体重でも中村選手には柔軟性があるため、比較的怪我には強い)
もし筆者が西武球団の交渉担当だったら、G.G.佐藤選手には9500万円という数字を提示すると思う。そして来季は中村選手の3年連続ホームラン王を脅かす存在となり、「1億7000万円を目指せ!」と強く発破をかけてあげたい。


2009年12月17日 16:36 Tweet


