
#25 岩崎哲也

#25 岩崎哲也 - Tetsuya Iwasaki
投手(リリーフ)、右投右打
2006年大学・社会人ドラフト5順目
埼玉県立行田工業高~国士舘大~三菱重工横浜~埼玉西武ライオンズ
埼玉県深谷市出身、1982年10月13日生、190cm / 93kg
2010年推定年俸:2000万円
球種:スライダー、シンカー
筆者が初めて岩崎投手を見たのは、まだ彼が三菱重工にいた頃だった(ひょっとしたら補強選手だった東芝の試合だったかもしれないが)。投球内容自体はよく覚えてはいないのだが、あの投球フォームはよく覚えている。今とほとんど変わらない、あのダイナミックで独特なサイドトルネード投法。このフォームは、マンガからヒントを得て開発したというのが本人談だった。
岩崎投手のフォームはよく「あっち向いてホイ投法」と呼ばれることがあるが、この呼び方はあまりに丁稚だと思う。しかもプロ解説者までもがこの言葉を使っていることを考えると、選手上がりのコーチや解説者がいかに運動生理学の知識がないかがよく分かってしまう。もちろんしっかりと知識を勉強している選手が多いのも事実だが。
なぜ「あっち向いてホイ投法」と呼ばれているかと言うと、岩崎投手はトルネードを2塁方向に巻き込む際、顔も2塁方向に背けている。だが筆者の野球理論においてこの行動は理に適った動きだと考えている。頚椎反射という言葉を聞いたことはあるだろうか?例えば首を左に回すと、右肩の筋肉がストレッチ(伸張)され、ショートニング作用(収縮)を引き起こす。簡単に言えば首を左に回すことで、右肩の動きを引っ張るための助走を付けられるということだ。
岩崎投手はトルネードの巻き込み時に首も2塁方向に巻き込むため、首の右から左に回る距離が長くなる。つまり通常のフォームのピッチャーよりも、頚椎反射の恩恵を受けやすくなるというわけなのだ。
逆の動きで頚椎反射を利用している投手もいる。レッドソックスの岡島秀樹投手だ。岡島投手は左投げだが、レイトアクセラレーション(リリース寸前の腕の加速)の段階に入ると、顔を3塁側に背けてしまう。これは日本のプロ野球ではかなり酷評されていたが、しかし運動生理学においてこの行動は素晴らしいと評価することが出来る。岡島投手は日本時代それほどコントロールの良いピッチャーではなかったが、しかしコントロールの悪さとこの首の動きとは無関係である。岡島投手が今メジャーで活躍できているのは、彼の個性を殺さずに活かそうとしてくれた初めての人、鹿取義隆コーチのおかげだろう。
首の動きこそ逆ではあるが、頚椎反射の利用における恩恵は、岩崎投手と岡島投手は共通なのだ。だが岩崎投手の場合、非常にもったいない点が首以外で1つある。それは骨盤だ。ピッチャーはボールをリリースする際、できる限り遠心力を小さくしなければならない。これを慣性モーメントを小さくする、と言うのだが、岩崎投手の場合この慣性モーメントが非常に大きい。
投球とは身体を回旋させて行う動作なのだが、岩崎投手の場合は回転になってしまっているのだ。一般的に右ピッチャーの場合、投球動作中にピボットポイントが軸足股関節(右)から前脚股関節(左)に移動される。しかしこの時、脊柱軸までも移動線上から移してはならない。
非常に難しい話ではあるが、セット時、ピッチャーの軸足とキャッチャーミットを直線で結んだ際、右投手の場合は右骨盤をこの直線上にキープし移動させるのがベストなのだ。こうすることで慣性モーメントを小さくさせることができ、身体のスピンスピードもアップする。つまり球速がアップするということだ。もし野球をされている、または指導をされている方にはぜひ覚えておいてもらいたいのだが、アウターマッスルをいくら鍛えても劇的な球速アップは起こりえない。
岩崎投手は140km前後が通常の球速だと思うのだが、もし骨盤の使い方を改良させることができれば(フォームは同じで良い)、デニー友利投手のような存在になれると思う。今オフ岩崎投手の背番号は35から25に変わった。これはチームから期待されている何よりの証拠。
2009年、岩崎投手はある程度の切っ掛けは掴んだと思う。迷いなくマウンドに登った時の岩崎投手は、本当に素晴らしいピッチングを魅せていた。となると、あとは良い状態をどれだけ長くキープできるかという点に尽きる。今後潮崎コーチの下でシンカーを学び、もっと遅いシンカーを投げられるようになれば、岩崎投手は完全にブルペンでは主戦級扱いされるようになるだろう。ひょっとしたら小野寺投手を追い抜いてしまう日も近くやって来るかもしれない。
だがそうなれば小野寺投手にも意地がある。きっと更なるレベルアップをして、埼玉出身のこの2人が西武ドーム3塁側ブルペンを底上げしてくれるはずだ。
| 投球成績 Pitching Results | |||||||||||||||||||||||
| 登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
|
| 2007 | 55 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 2 | 13 | .750 | 220 | 54.1 | 43 | 5 | 17 | 1 | 5 | 33 | 1 | 1 | 19 | 17 | 2.82 |
| 2008 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 99 | 21.0 | 32 | 2 | 4 | 0 | 5 | 10 | 0 | 0 | 16 | 13 | 5.57 |
| 2009 | 27 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 9 | .333 | 115 | 26.0 | 28 | 2 | 13 | 2 | 2 | 15 | 1 | 1 | 14 | 13 | 4.50 |
| 通算 | 102 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 5 | 2 | 22 | .583 | 434 | 101.1 | 103 | 9 | 34 | 3 | 12 | 58 | 2 | 2 | 49 | 43 | 3.82 |


2009年12月18日 17:05 Tweet


