
菊池雄星投手、埼玉西武ライオンズ入りへ!

運命のドラフト会議。今年からは一般のファンが抽選で1000人招待されるようになった。筆者も応募したのだが、16倍という高い倍率に残念ながら漏れてしまった。今日の午後の予定はドラフト会議を観覧するために空けておいたのだが、筆者はテレビで観ることしかできなかった。
注目の菊池雄星投手だが、指名したのは埼玉西武、北海道日本ハム、東北楽天、阪神、東京ヤクルト、中日の6球団だった。パ・セの下位球団からクジを引いて行き、その先頭が埼玉西武の渡辺久信監督だった。渡辺監督は当たりクジを引くために、前日はスカウト陣との食事会で岩手の銘酒『南部美人』を飲み、ドラフト当日は内ポケットに紫色のボールペンを忍ばせていた。岩手は菊池雄星投手の地元であり、紫は花巻東高校のチームカラーだ。
6球団の代表全員がクジを引き終わると、いっせいに開封された。当たりクジなら中に「交渉権確定」の文字が書かれている。誰もが息を飲んだ瞬間、2009年10月29日16時16分の会場内に「よし!」という声が響き渡った。渡辺監督の声だった。当たりクジを見事引き当て、ガッツポーズをする渡辺監督。満面の笑みだった。
直後のインタビューで渡辺監督はテレビを通じ、菊池雄星投手にメッセージを送った。「雄星くん、すごい運命を感じています。心おきなく入団して来てください」と。西武ファンだから言うわけではないが、菊池投手は良いチームの1つに入ったと思う。ライオンズは昔から育成には定評のあるチームだし、監督がピッチャー出身というのも大きい。
しばらくはファームでの育成ということになると思うが、来季のファーム投手コーチは小野和義コーチだ。小野コーチは現役時代に肩を壊し、立花龍司氏の指導によって復活した経緯がある。つまり肩を壊したことで、肩のコンディショニングをしっかり学んだ人物なのだ。その時の経験をコーチとして菊池投手に伝えてあげることができれば、それは菊池投手にとっては大きな財産になるだろう。
また、1軍に上がって来たとしても来季の1軍にはサウスポーである橋本武広投手コーチがいる。同じサウスポーから受けられる指導も、やはり菊池投手にとっては大きなプラスになるはずだ。
さらに言えば1軍にはエース涌井投手を筆頭に、岸投手、西口投手、石井一久投手と言った球界を代表する先発陣も揃っている。彼らなら菊池投手にとって、素晴らしい見本となってくれるだろう。中でも同じサウスポーの速球派で球種的にも良く似ている石井投手は、かなり参考になると思う。
菊池投手の獲得によって気になるのが、横浜を戦力外になった工藤公康投手の獲得だ。小林球団社長は今現在白紙を強調している。ドラフトの成果次第では工藤投手の獲得を見送る可能性もあるとコメントしていたが、サウスポーの菊池投手を獲得できたからこそ、工藤投手が必要だと筆者は考える。少なくとも菊池投手を、場数の問題以上にリリーフで起用することはないだろう。そうなると左のセットアッパーは必要だし、今日のドラフトでは菊池投手以外にはサウスポーは獲得していない。
その工藤投手だが、噂によれば11月11日のトライアウトは受けないようだ。確かにベテラン投手であるため、11~12月は基本的に身体を休ませる時期にあたる。その時期にムリしてトライアウトを受けても意味はないという考えなのだろう。今季は後半戦もしっかりと登板していたし、検討材料は揃っている。西武球団側も、工藤投手が何連投まで可能かという情報まで得ているようだ。
菊池投手の獲得によってさらに検討が必要になった工藤投手の獲得だが、筆者はかなり高い確率で獲得するのではと考えている。渡辺監督は工藤投手を戦力になると見ているようだし、年俸的にも来季は2000万円前後になると考えられる。そして菊池投手だけではなく、投手陣全体の先生役としても期待できることを考えると、まず獲得して損するような選手でないことは間違いない。
来季菊池雄星投手が加わり、さらに工藤公康投手が加われば、ライオンズの投手層は一気に厚みが増す。ただ筆者が冷静に菊池投手を見た時、プロとしてはまだ通用しないだろうと考えている。松坂大輔投手の西武入団時を10としたら、涌井投手が7、菊池雄星投手が6くらいだろう。ピッチャーとしてはまだまだ未知数の可能性があるが、その分ボール1つ1つの完成度はまだ高くはない。1~2年目はゆっくりとファームでボールの精度を高めたらいいと思う。
さて、ここで気になるのはやはり、工藤投手同様に背番号だ。現在のライオンズにエースナンバーの空きはない。若い番号では12番が空いているが、これはライオンズのエースナンバーとは言えない。となると可能性としては、松永投手の24番を菊池投手に譲るという選択肢が生まれてくる。24番といえば、鉄腕稲尾が背負った由緒あるナンバーだ。プロの世界は厳しい。いくら大きな期待をされて入り、エースナンバーをもらったとしても、その番号に相応しい活躍ができなければ番号は剥奪されてしまう。それは普通のことであり、当たり前のことなのだ。
メジャー挑戦という大きな夢を持つ菊池雄星投手だが、まずは日本のプロ野球でしっかりとファンを納得させられる活躍ができるピッチャーになってもらいたい。そして誰にも文句を言われずにメジャー挑戦をする、そんなピッチャーに育っていって欲しい。
西武1位指名候補の菊池雄星投手は、プロで通用するか?


2009年10月29日 20:40 Tweet


