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小野寺投手が復活するために必要なこと


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現在2軍調整中の小野寺力投手、彼は本来1軍でクローサーを務めていなければならないピッチャーだ。だが今年は2勝5敗16Sで、防御率は4.31という数字の悪さ。小野寺投手には実力がある。それがなぜ今年はなかなか活躍できなかったのか?もし小野寺投手がしっかりとグラマン投手の穴を埋められていれば、今ライオンズが4位に低迷することもなかっただろう。

ネット上のライオンズ関連のファンブログでは、小野寺投手はかなり非難されている。「戦力外にしろ」や「トレードに出せ」、はたまた「ブログを書く暇があるなら練習しろ」など、本文・コメント欄を含めてかなり辛らつな言葉が並んでいた。だが小野寺投手は、間違いなくライオンズにとっては必要不可欠な選手だ。トレードなんてもってのほかで、ましてや戦力外扱いなどできるはずがない。

一部のファンは結果だけを見てすぐに選手を非難したがる。一生懸命応援をして、その期待を裏切られる悔しさは分からないでもないが、しかし匿名性の高いネット上で必要以上に選手批判をするのはどうかと思う。この記事を読まれた方でブログなどを書かれている方は、ぜひ温かい目で選手を見守って欲しいと思う。もちろんファンの厳しい目も大事ではあるが、必要以上の選手批判をするのはマナーとして良いとは言えないと思う。

筆者もこのブログ上で選手批判をすることはある。しかし結果に対して批判はしない。バッターが打てなくても、ピッチャーが勝てなくても、その結果に対して批判はしない。筆者の場合は、あくまでも野球に対する姿勢、もしくはプロセスに対し批判をするようにしている。例えば試合に負けているのにベンチ内でヘラヘラ笑っていたり、ボーンヘッドを犯したり、同じミスを繰り返したり。そういう時は遠慮なくしっかりとした理由を述べて批判するようにしている。

さて、最近ネット上では小野寺投手の批判が多いわけだが、なぜ小野寺投手は今年まったく安定してこなかったのだろうか?筆者は色々と考えてみたが、やはりメンタル以外には考えられなかった。小野寺投手はメンタル面においてかなりの脆さを抱えている。筆者はグラウンド上で涙を流す小野寺投手を、今までに何度か見てきた。野球選手は負けて泣いてはいけない。野球選手なら、勝って初めて人前で涙を見せるべきだ。

小野寺投手のメンタルの弱さは、プレーからも見て取れる。今年の前半戦安定感のないピッチングを続けると、新たな球種を練習し始めた。これは「新しいことに挑戦して不調を打破する」とも見られるが、しかし筆者はそうは見なかった。練習した新球はチェンジアップなのだが、筆者からするとチェンジアップに逃げたように感じられたのだ。

小野寺投手のウィニングショットと言えば、時に150kmを超すスピードボールと、落差の大きな大魔神佐々木投手直伝のフォークボールだ。小野寺投手が新球のことをブログに書き始めたころ、筆者はつくづく思った。なぜ今持っているボールをさらに磨こうとしないのか、と。今年小野寺投手が打たれる理由は、球種が少ないからではない。球質が低いためだ。なぜ小野寺投手がそれに気づかないのかが筆者には分からない。

そもそもシーズン中に新球を練習すること自体、筆者はどうかと思っていた。新球を練習するならシーズン後にするべきだ。そして春季キャンプで完成度を高め、オープン戦で試投し、通用するようなら公式戦でも投げる。これが新球を覚えるための理想的なプロセスだと思う。果たしてもし小野寺投手が今年不調に陥らなければ、チェンジアップを覚えようとしただろうか?答えはノーだと思う。もし好調を維持できていたら、チェンジアップの練習などしなかったはずだ。だからこそ筆者は、小野寺投手がチェンジアップに逃げたように見えたのだ。

何度も言うが、小野寺投手には素晴らしいストレートとフォークがある。この2つの球種の質をアップさせられれば、今年のような酷い不調に陥ることはなかったはずだ。ましてやファームに落ちることもなかっただろう。だが小野寺投手はそれをせず、もしくはできずに、チェンジアップに逃げてしまったため、結局問題を解決することが出来なかった。ストレートの質が上がらないままでは、いくらチェンジアップを覚えたところで無意味なのだ。変化球は、ストレートあってこその変化球。ストレートに切れがないうちは、変化球にも切れが出てくることはない。

小野寺投手は恐らく、左バッター用にチェンジアップを覚えようとしたのだろう。右ピッチャーの場合、フォークボールは引っかかると左バッター側に外れ、デッドボールになる可能性が高くなる。逆にチェンジアップは抜けやすいボールで、抜けた場合は右バッター側に外れていく。つまりデッドボールを避けるために右バッターにはフォーク、左バッターにはチェンジアップで勝負しようと考えたのだろう。

だが小野寺投手はフォークボールをウィニングショットとするピッチャーだ。そんなピッチャーが自らフォークボールから逃げてしまっている。つまりバッターと対峙する以前に、自らとの勝負で敗れてしまっているのだ。ワイルドピッチやデッドボールが恐いなら、そもそもフォークボールそのものを捨ててしまえばいい。だが小野寺投手は本来素晴らしいフォークが投げられるのだ。だからこそ筆者はチェンジアップなんかに頼るのではなく、フォークで勝負してもらいたいのだ。

小野寺投手はキャッチャーとサイン交換する際、右手にあるボールをフォークの握りで持っている。球界にここまでフォークにこだわっているピッチャーが他にいるだろうか?なのになぜそのフォークから逃げようとしてしまうのだろうか?150kmものストレートは、プロと言えども並のバッターではそう簡単には打ち返せない。だから自信を持ってストレートでカウントを取り、追い込んだら自信を持ってフォークを投げればいいのだ。フォークボールが来ると分かっていてもなかなか打てない、それが小野寺投手の好調時のフォークボールだ。

野球というスポーツは、多くのプレーが“一瞬”で決まってしまう。例えば145kmのストレートをバッターがジャストミートした際、ボールとバットが触れている時間は約1/1000秒だ。野球中継で使われる超高性能ハイスピードカメラでも1/30秒単位でしか撮影できないのに、ボールとバットのインパクトの瞬間は僅かに1/1000秒でしかない。そしてその打球がヒットになるか、アウトになるかも、その1/1000秒の間でほとんどが決してしまう。

よく一球入魂と言うが、ピッチャーはまさにこの1/1000秒のために魂をボールに込めているのだ。だが小野寺投手にはこの1/1000秒がまったく見えていないのかもしれない。そしてこの1/1000秒の間に、バットは約2.5cmだけ回転する。バッターは1/1000秒かけ、2.5cmバットが動く間でボールを弾き返そうとする。この2.5cmの勝負に勝てばヒットになるし、負ければ凡打となる。

来年は恐らくグラマン投手が帰ってくるだろう。しかしいつまでもグラマン投手に頼っているわけにはいかない。手術が成功したとは言え、術前のようなボールが投げられるかどうかは、完治してみないと分からないことなのだ。だからこそ小野寺投手がしっかりしなければならない。理想は8回をグラマン投手、9回を小野寺投手が締める野球だと思う。そうすれば7回だけをワンポイントピッチャーで繋ぎ抑えれば、先発ピッチャーは最低6回という明確な目標を持ってマウンドに登ることができる。

小野寺投手には、チェンジアップでかわすようなピッチャーにはなって欲しくない。剛速球でどんどん押していって、バッターに予測されたフォークで空振りを取る。そういうピッチャーになっていってもらいたいし、本来はそういうピッチャーのはずだ。1球1球に魂を込め、逃げずに、そして恐れずに堂々と投げてもらいたい。そうすれば明日1軍に上がってきたとしても活躍できるはずだ。

プロ野球界に数百人いるピッチャーの中で、一体何人が150kmオーバーのストレートを投げられるだろうか?小野寺投手には、自分がその中に入っていることを一日でも早く思い出してもらいたい。チェンジアップなどに逃げるのではなく、バッターにフォークを投げることを宣言してしまうくらい大胆に、自信を持って投げてもらいたい。自信を持って投げさえすれば、小野寺投手は球界を代表するクローサーになれるはずだ!マウンドに登ったからには結果や、打たれることを恐れてはいけない。自分の最高のボールをキャッチャーミット目掛けて投げる、そのことだけに集中して投げてもらいたい。

月間MVPを受賞した2006年7月を思い出せばいい。あの時の強いハート、自信さえ取り戻せば、チェンジアップなどに頼らなくても確実に抑えることが可能なのだ。もう今年ここまでの数字などすべて忘れてしまえばいい。次マウンドに登った時が今年の初登板、そんな心境で投げて欲しいと思う。ファンが待ち望むのは、9回のマウンドに立つ小野寺投手の姿なのだ!

今年5月12日のオリックス戦、小野寺投手は最高のピッチングを披露してくれている。あの日見た小野寺投手の目は、クローサーとして本物の目をしていた。まさに眼球に炎が見えるようだった。だからこそ筆者は小野寺投手に人一倍期待をしているのだ。あんな目をバッターに向けられるのなら、ただそれだけでもいいのだ。投げる前に目でバッターを萎縮させられれば、それだけでもう勝ったも同然、抑えたも同然なのだ。今年の5月に出来て、9月にできないということはないだろう。小野寺投手にはぜひ、5月12日に見せてくれた自らの目を思い出してもらいたい!

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2009年09月08日 02:27 


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