
●2009/09/27 西武vs楽天22回戦

| 3:45 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 東北楽天 | 1 | 0 | 2 | 1 | 3 | 2 | 2 | 0 | 0 | 11 | 16 | 0 | |
| 埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 4 | 9 | 1 |
埼玉西武vs東北楽天 22回戦 西武ドーム(観衆:33,901人・満員御礼)
埼玉西武ライオンズ 11勝11敗0分
継投:●涌井秀章~大沼幸二~木村文和~山岸穣~土肥義弘~松永浩典
敗戦投手:涌井秀章 15勝6敗 2.31
ホームラン:中島裕之(21号)
【ダイジェスト】
【ゲームレビュー】
今シーズン最大の大一番とも言える今日の試合、通常のローテーションを変えてまで第3戦に先発をしたのは、エース涌井投手だった。大きな期待とプレッシャーを背負いながらの先発マウンド。エースらしい好投が期待されたが、しかしエースとしての責任を果たすことは出来なかった
調子自体は決して悪くはなかったと思う。絶好調には見えなかったが、しかしボール自体には力があったように見えた。筆者が涌井投手の投手心理を独自に考察していくと、涌井投手は自分自身にプレッシャーを掛けすぎてしまったように見えた。もちろんそれはエースとしての責任感から来るもので、絶対に勝たなくてはいけないこの試合、涌井投手は今日勝つことの重要さを誰よりも理解しているピッチャーだった。だがそれゆえに自分自身にプレッシャーを掛けすぎ、バッターとではなく、自分自身としか戦えないマウンドになってしまったのだ。
涌井投手自身、今日は本当に辛かったと思う。大事な一戦に先発し、4回で降板させられてしまう内容。残り5回はベンチで応援するより他ない。5回をずっとベンチに座っていなければならないエースの心境、その辛さ、その悔しさは計り知れない。レベルこそ違えど、筆者も学生時代はまがいなりにもエースだった。大事な試合でエースとしての責任を果たせない自分への憤り、悔しさはよく知っている。本当に自分が情けなくて仕方ないのだ。
こういう時のエースの心境に、今シーズン15勝挙げていることなどまったく関係ない。涌井投手にしてみれば、今日勝てなければ15勝していても、1勝もしていなくても変わらないことなのだ。まるで甲子園予選のような心境だろう。地方大会で優勝しなければ、初戦敗退も準優勝でも同じ参加校の1校でしかなくなる。地方大会で優勝しなければ、甲子園へは行けないのだ。
今回はエースの精神的な面から書き始めたが、技術的にも少し触れておきたいと思う。今日は涌井投手のピッチングフォームが、いつものフォームとは違うフォームになってしまっていた。と言っても、別にオーバースローがサイドスローになったとか、そういう形的な変化ではない。身体の使い方が少しおかしかったのだ。
具体的に言うと、骨盤が開いてしまっていた。右ピッチャーの涌井投手は投球時、前足となる左足を上げるのだが、この時その左足が、ほんの数ミリキャッチャー寄りに上がっていた。恐らくセンチ単位ではないと思う。ミリ単位の変化だ。この変化により、ボールの左右のコントロールがまったく利かなくなってしまった。そしてほんの僅かだが、バッターにボールを見る時間を余分に与えてしまった。
ピッチャーと言うのはとても繊細なポジションだ。例えばボールをリリースするタイミングが0.001秒前後するだけで、ボールの高さには実に90cm以上の差が生じてくる。いつも通りのフォームであれば低め一杯となるボールが、リリースが0.001秒速ければ高めにすっぽ抜け、逆に遅ければホームプレートに到達する前に1バウンドしてしまう。涌井投手は非常にレベルの高いマウンドでの修正能力を持っているのだが、今日はフォームの乱れを最後まで直すことが出来なかった。
正確に言うなら、今日の涌井投手は心と身体のバランスがまったく取れなかった。「絶対に勝つ!」という強い気持ちが先行しすぎてしまい、それに身体が付いていけなかったのだ。ピッチャーは、マウンド上で平常心を失ったら負けだと良く言われる。これはカッカするだけではなく、気合いを入れすぎた時にも同じことが言えるのだ。
今日は涌井投手にとっても、チームにとっても、ファンにとっても痛い1敗になってしまった。だがまだ絶望視する必要はない。楽天との直接対決はあと2試合残っているし、楽天は火曜日からはホークスとの4連戦となる。この4連戦で星を潰し合ってくれているうちにライオンズが下位ロッテ相手にしっかり勝つことが出来れば、まだまだチャンスはある。
その火曜日からの先発ピッチャーは石井一久・許銘傑・西口文也のベテラン3人衆だ。チームが厳しい状況の時こそ頼りになるのがベテランの存在。石井投手にしろ西口投手にしろ、百戦錬磨のベテランだ。何と言ってもこの2人だけで実に281勝を挙げているのだ。普通の力さえ発揮してくれれば勝利はグッと近づく。そして許投手にしても最近は絶好調で、先発ピッチャーとしてしっかりと試合を作ってくれている。火曜日からはこのベテラン3人衆に期待し、今シーズン最後となる西武ドームでの3連戦を今まで以上に熱く応援していきましょう!


2009年09月27日 17:06 Tweet


