
○2009/07/01 西武vsロッテ11回戦

| 3:24 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
| 千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 6 | 13 | 0 | |
| 埼玉西武 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 2 | × | 11 | 15 | 1 |
埼玉西武vs千葉ロッテ 11回戦 西武ドーム(観衆:11,617人)
埼玉西武ライオンズ 4勝7敗0分
継投:○岸孝之~H岩崎哲也~小野寺力
勝利投手:岸孝之 8勝1敗 3.13
ヒーローインタビュー:佐藤友亮、銀仁朗
【ゲームレビュー】
今夜の先発は岸投手。だが最近の岸投手は、連勝記録を伸ばしていた頃と比べると若干安定感に欠けている。これが単に疲労からなのか、ただ調子を落としているだけなのかは分からないが、とにかく最近5試合ではわずかに1勝しか挙げていない。
とは言え岸投手の場合、大崩れすることがまずない。調子が悪くてヒットを打たれたり、フォアボールを出したりしても、要所要所はしっかり抑えている。だからこその防御率3.13なのだろう。普通1ヵ月半で1勝しかしていなければ防御率はもっと悪くなるのが普通なのだが、そこはさすが岸投手と言うべきだろう。今夜にしても7回に満塁のピンチを招いた後、福浦選手をショートゴロに打ち取った場面は見事だった。よく集中していたと思う。
12安打で6失点(自責点は4)したわけだが、フォアボールを1つも出さなかったことも評価して良いと思う。フォアボールは野手のリズムを崩してしまうため、味方の援護点を得られない可能性も出てくる。しかし今夜はフォアボールを出さなかったことで野手のリズムが途切れることなく、9点の援護を得ることが出来た。
今夜の岸投手は見ている限り、ちょっと身体に切れがないかなぁという印象だ。梅雨時期というのはどの選手にも疲れがどっと出てくる季節で、特に華奢な岸投手はそれが顕著だったのかもしれない。ひょっとしたらそのために、先に帆足投手に投げさせた可能性もある。
そして今夜は久しぶりにリリーフ陣がよかった。7~9回にリリーフ陣が失点しなかったのは、一体いつ以来だろうか?調べてみたら、6月16日の巨人戦以来だった。約半月振り。
ところで、今夜の小野寺投手はまるで別人のようだった。投球内容を見て結果論からそう言っているのではなく、ブルペンから出てきた瞬間から、筆者はそう感じていた。なにやら、ここしばらくまったく感じられなかったオーラのようなものが、今日の小野寺投手からは強く感じられた。まるで2006年の自信を取り戻したかのようだった。
結果的には1安打は許したものの、アウト3つはすべて三振。文句の付けようのないパーフェクトピッチだった。これだけ力を感じる小野寺投手を見たのは、本当に久しぶりだった。そしてこの影には、渡辺監督の助言があったらしい。その内容を小野寺投手は明かしてはいないが、「渡辺監督のことを改めて偉大だと思った」というコメントをブログに残している。どういう助言があったのか興味深いところではあるが、その内容についてはナイショらしい。
いずれにしても、小野寺投手の復活と岩崎投手の起用に目途が付いたことは大きな収穫だったと思う。この2人で8・9回を回すことができれば、試合運びは相当スムーズになるはずだ。この安心感が先発投手にも伝わってくれれば、「6回まで試合を作ればなんとかなる!」という気持ちになり、精神的に余裕を持ってマウンドに上がることができる。ここ最近の涌井・岸・帆足投手のように完投を必要以上に意識して投げる必要もなくなる。
だからこそ、今後もなんとかこの2人で勝利の方程式を作っていけるように頑張ってもらいたい。優勝をするためには残り76試合で50勝近くしなくてはならない。そのためにもまずはリリーバー陣の復調が不可欠だ。
さて、今日はここまでピッチャーのことばかりを書いてきたが、実は今夜は“足”で勝った試合だったと筆者は思っている。その足とはまずは2回。サードへの内野安打で出塁した江藤選手が3塁まで進み、佐藤選手がライトフライを打った場面。それほど深いフライではなかったため、江藤選手の足ならひょっとしてタッチアップはしないかなぁとも思ったが、しかし江藤選手は走った。しかも必死の形相で、まさに激走とも言える走塁を見せてくれた。今日の得点は、江藤選手のこの走塁によって生まれた11点だったと思う。39歳の大ベテランが歯を食いしばって全力疾走する姿、それは若い選手たちの目に強く焼きついたに違いない。この1プレーはとても地味ではあるが、試合の中では非常に重要なポイントになったと思う。
そしてもう1つは8回。9-6とリードしていた場面でノーアウト1塁。バッティングフォームを去年のものに戻して好調さを取り戻した片岡選手に対し、渡辺監督がとった作戦は送りバント。渡辺監督はあまり送りバントをさせない監督なのだが、この日は4つもの送りバントを決めさせた。この場面では好調である片岡選手にバントをさせたことで、渡辺監督の勝利への執念が選手たちにしっかり伝わったと思う。
送りバントで1アウト2塁となり、バッターは栗山選手。ボールに逆らわず、しっかり逆方向に弾き返すレフト前ヒットを放ち、これで1アウト3・1塁。そしてバッターは3番中島選手。初球の変化球をしっかりと弾き返し、センターオーバーの2ベースヒット。そして筆者が伝えたい場面こそここだ。
左中間を真っ二つに割ったわけではなく、あくまでもセンターオーバーの2ベースヒット。打球もフェンスに直撃した直後にセンターが素早く処理していた。ランナーは3・1塁で、3塁ランナーは当然ホームインするが、まさか1塁ランナーの栗山選手までホームインするとは思わなかった。ひょっとしたらセンターフライになっていたかもしれないような打球。並みの選手であればセカンドベース付近で様子を見たはずだ。しかし栗山選手は打球が上がった瞬間からトップスピードで走り出し、そのスピードを緩めることなく一気にホームインしてしまった。
これは素晴らしい打球判断だったと思う。もし一瞬でも躊躇していれば、ホームでクロスプレーになっていたかもしれない。しかし実際には栗山選手がホームインした0.3秒後くらいに、ボールはバックホームされた。0.3秒後では、キャッチャーはタッチにも行けない。だがもし栗山選手が0.3秒でも迷ってしまっていたら、アウトになっていたかもしれないのだ。これこそ野球の醍醐味ではないだろうか?これこそプロフェッショナルなプレーではないだろうか?1秒にも満たない一瞬の世界観が、野球の魅力を高めてくれる。
今夜の栗山選手のような、一瞬を魅了するプレーを他の選手も意識付けていけたら、ライオンズは相当強くなると思う。現在は首位から8ゲーム離されてしまっているが、こういう野球を継続していければ、追いつくことは決して難しいことではない。
江藤選手の激走にしろ、栗山選手の一瞬の判断にしろ、こういうプレーがチームを勢いづける。しかし本当に大事なのは明日だ。明日、いかに今夜のこの流れを汲めるかが重要になってくる。そのためにも先発西口投手には、最低でもQSピッチを見せてもらいたいところだ。頼むぞ、オツ投手!


2009年07月02日 02:16 Tweet


